15話 「記憶」 ページ18
「この人数を見ろ……分かるな?お前に勝つ術はない。」
この人数で私を倒しに来るとは……力を認めてるってことだね。うん、ありがとう。それにしてもさっき私の雷引爆をどうやって消したんだろう………。雷遁は風遁に弱いから………風の刃でも使ったのかなぁ。
「……それともお前にはここの全員に勝つ自信があるのか?」
「…………」
しかし…この人数は流石にやばいかもな…………
………………なんちゃって!!
「これくらいは想定内だよ……。」
私だって何の準備もしないで来た訳では無い。
引爆というのは本来数人の相手に対して使う技、こんなに大勢いると時間が無駄だ。人数で考えれば相手のほうが当然有利だ。皆それぞれ得意な性質変化や術もあるだろうし、一人一人倒していってもキリがない。纏めて潰すか………
丁度良い……
「……私の新術を試すいい機会だ……」
「……行け!!」
部隊の隊長らしき人物が叫び、一斉に印を組み始める。
……無駄なのに
「火遁・火龍弾!!」
「水遁・水鮫弾の術!!」
「風の刃!!」
「土遁・岩鉄砲の術!!!!」
「雷遁・地走り!!」
次々と派手な術を披露していく岩隠れの暗部。が、そんなこと私には通用しない。
ヴォォォオオオオンンンン…………
手に重力を最大まで集中させる。今日はいつも程意識を集中させなくてもいい……なぜなら、引き寄せる対象以外のものを気にしなくていい…………対象以外なんてないんだから
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴオオオオオオオオオオオッッッッ…………!!
地面にひびが割れ、岩、土、木、水分、空気、電気、人まで、全てが圧縮されて私の手の元に集まってくる。
そう、この術 「
……そしてあまりの体積に耐えられなくなった空間は場所を求めて大爆発を起こす
ピカッ…………
ドォォォォオオオオオオオオオオオオオオオオオオッッッッンンンンン!!!!
鼓膜が破れるくらい巨大な爆発音を爆風とともに食らう。私はここで吹き飛ばされて死ぬのだろうか。…………………目を瞑る
遠い昔の記憶
……何処かで、誰かが泣いている
「誰か」は檻の中で泣いていた
誰もが見て見ぬフリをして
誰も立ち止まらなくて
ずっと独りで泣いている
どうして誰も気づいてあげないの
あれは……誰?
あれは……
………私……?
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作者名:いっちー | 作成日時:2017年8月17日 23時