13話 「暗殺」 ページ15
山の麓の茶屋の右隣……。ここか。賑やかだった岩隠れの街並みは、今ではすっかり静まり返っている。押し入れに閉じ込められたレンマはというと、扉を蹴り落として一瞬で逃げられたらしい。その後デイダラは色々聞かれて大変だった……らしい。
それにしても、レンマは今日殺すべきか、明日殺すべきか、それとももっと調べてからか。しかし今日のことが土影に知られては困る。幸いレンマはただのデイダラのイタズラだと思っている。が、これ以上此処に長居すればほかの忍に見つかりかねない。
「よし、今日だな……」
誰もいない道を警戒しながら歩いて行く。と、その時。
「誰だ、君は」
……自分から出向いてくれるとは好都合だな
「教える必要などない。お前は今日ここで死ぬんだから、レンマさん」
「……っ!!」
バッと印を組み口寄せの術をしようとするレンマ
「……させない」
ザッ
周りの風を素早く集めて手から地面に打ち放つ。そのままレンマに勢い良く蹴りを食らわす。倒れ込むレンマの後ろにスルリと抜け、腕を捻って拘束する。そして最後にクナイを首に当て……
「言い残すことはないか……」
「んなもんねぇよ……
……俺はまだ死ねねぇ!!」
〜レンマside〜
食い込もうとするクナイを俺は力づくで振り払い、無数の手裏剣を少女に投げた。しかし彼女は避けようともしない。ビビって腰が抜けたのか……案外弱ぇな。とどめを刺そうと、懐からクナイを出す。
が、彼女に目線をやると驚いたことに彼女は無傷だった。
「な?!」
確かに手裏剣は全て彼女に命中したはず。少女は避けるすぶりも、クナイではね返そうとするすぶりも見せなかった。じゃあ一体どうやって………!!
「ぐっ………」
先程彼女の蹴りを食らった腹と、捻られた腕が痛む……。これ程の年の差なのに……なぜ今俺が押されているのだ。くそっ………
口寄せの術を発動しようとしても邪魔が入る。まずはこっちが押さなければ……!!
……此処は住宅街だ。派手に忍術は使えねぇ。場所を変えねぇとな。
「おい、女……来い!!」
何とか時間を稼げば暗部が気づき、増援が来るだろう。此奴の目的は恐らく俺の命だ。暗部が来るまで何とか持つといいが……
街から離れた森まで来る。木があれば俺の土遁のに強い雷遁の技は当たりにくくなるだろう。
「土遁・土石龍!!」
岩石で出来た巨大な龍が少女を迎える。流石にこれがあれば少女も迂闊に俺に手を出せないんじゃ………
「…………雷引爆」
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作者名:いっちー | 作成日時:2017年8月17日 23時