第百三十五訓 ページ41
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説教に近いというか、もはや説教になっているこの空気に申し訳なく思うが別に説教をしたい訳じゃない。なのでゴホンと咳払いをし、口調を落ち着かせて話す。
「…私は近藤さんのこと、当たって砕けたとしても砕けたところを補って、前よりももっと固くなって砕けないよう当たりに行く人だと思ってました」
鬱陶しいなんて言ってしまったらそれまでだけど、そんなところに惹かれた。だから江戸で一旗あげようと言った時、付いて行ったのに。
思った通りのことをそのまま言えば「A…」と引っ込んでいたはずの涙を目に溜める近藤さん。
「何度かの失敗が何ですか、失敗しない人間なんていませんよ。前回の失敗を糧にして、また次も頑張りましょ?私も協力しますから」
近藤「…っ、A〜!!」
「うわ、汚なっ」
溜めていた涙と鼻水を滝のように流し、肩を掴んで来たので、離れるように促してバナナをあげる。
すっかり本調子に戻った近藤さんにホッとしていると「Aのおかげで目が覚めたよ!ありがとう!!」と顔を上げて言ってきた。目には光が戻っていた。
「女ってのはいざと言う時に頼りになって、さらっとご飯とか奢ってくれるような人にキュンとくるもんなんですよ」
つまり、これは妙ちゃんも例外ではない。と言うと、顎に手をのせ、一語一句聞き逃すまいと真剣に私の話を聞いている。
近藤「なるほど…」
「でもって、その女に借りを作ってしまったなら何がなんでも倍にして返すっていうのがイイ男なんです」
言ってること分かりますか?と確認すると、うんうん頷いたので「じゃあはい」と言って近藤さんの前に手を差し出す。
近藤「え?」
「だから、近藤さんの為に私いろいろしてるでしょ?現在進行形で」
近藤「それは、つまり…?」
「開店から閉店まで列が途絶えないっていうケーキ屋さんのケーキ食べたいので買って来てください、近藤さんの金で。もちろん全種類ですよ?」
私の言葉に戸惑う近藤さんに、イイ男になって妙ちゃんをモノにしたくないんですか?と言えば「買って来ます!!」と良い返事が。頼もしいことに男に二言はないと保証付きで。
「それと、甘味処でお団子をあんことみたらし10本ずつ買って来るのもお願いします」
近藤「そ、そんなに!?」
落ち込む近藤さんを励まして、アドバイスをし、バナナを与え、重たい体をここまで運んで来たのだからこれでも少ない方だ。
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クローバー - タイトルの第が大になっていますよ (2022年10月23日 19時) (レス) @page25 id: f7867713b9 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ミクさん» 洒落にならない数々のミス申し訳ありません。一通り目を通し修正してきました。ココがまだおかしい、という箇所がありましたらお手数ですがまた教えて頂けると幸いです。すみません。 (2021年8月5日 20時) (レス) id: d757d08cdf (このIDを非表示/違反報告)
ミク - 時々、坂田「銀さんたぶらかして」みたいな感じになって最初の「の前の名前が違っていることがあります (2021年8月5日 13時) (レス) id: c0f1b840e0 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - MEIさん» ありがとうございます!テスト、なんとか終わりました!!テストお疲れ様です!2週間以上も前ですけど(笑) (2019年6月7日 7時) (レス) id: bb6b3491df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年5月12日 12時