第百十四訓 ページ20
沖田side
大嫌いな奴の前でこんな姿みせるなんざ黒歴史入り確定だ。
いつも憎まれ口を叩いてる奴が自分でも驚くほどの弱々しい声を出したのだ。普段通りの声を出そうとしても続けて発する声は少し震えていて、人間は感情に流される生き物だとはよく言ったものだ。
小さい頃から親の代わりに病弱な体をおして俺とAさんの世話ばかり。自分の事はほったらかしで、婚期も遅れて。ようやく幸せを手に掴んだと思ったらこれだ。
沖田「…せめてよォ、死ぬ前に一時でも人並みの幸せを味合わせてやりてーんですよ」
見逃せとは言わない。少し時間をくれればそれで良い。その後なら何しようが構わない。ただ今だけは、もう少しだけ、時間が欲しかった。
沖田「土方さん、姉上がずっと結婚しなかったのはアンタのこと…」
土方「取り引きは明日の晩だ。刀の手入れしとけ」
何を言っても奴には響かず、普段と変わらない口調でそう言い切り、今度こそ本当に俺に背を向けた。
グッと、握った拳に力が入る。
…気にくわない。
アイツはいつもそうだ。フラリと現れて、俺の、
「私…十四郎さんのそばにいたい」
俺の大事なモン全部、横からかっさらっていっちまいやがる。
俺の言葉に短く返し歩き出した土方の背に憤然と叫んで、ただ沸き上がってくる惆悵の念を隠すことなく全てぶつけた。
今も昔も、アイツは__
「しらねーよ」
土方「しらねーよ」
「しったこっちゃねーんだよ、お前のことなんざ」
土方「しったこっちゃねーんだよ、お前のことなんざ」
沖田「気に…くわ…ねェ…」
.
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クローバー - タイトルの第が大になっていますよ (2022年10月23日 19時) (レス) @page25 id: f7867713b9 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - ミクさん» 洒落にならない数々のミス申し訳ありません。一通り目を通し修正してきました。ココがまだおかしい、という箇所がありましたらお手数ですがまた教えて頂けると幸いです。すみません。 (2021年8月5日 20時) (レス) id: d757d08cdf (このIDを非表示/違反報告)
ミク - 時々、坂田「銀さんたぶらかして」みたいな感じになって最初の「の前の名前が違っていることがあります (2021年8月5日 13時) (レス) id: c0f1b840e0 (このIDを非表示/違反報告)
柊ひな(プロフ) - MEIさん» ありがとうございます!テスト、なんとか終わりました!!テストお疲れ様です!2週間以上も前ですけど(笑) (2019年6月7日 7時) (レス) id: bb6b3491df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柊ひな | 作成日時:2019年5月12日 12時