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第153夜-過去、雪の日の出会い-2 ページ14

-栄華組・屋敷内-《no side》


その後豹牙は、雪斗たちにより屋敷まで運ばれて来た。


『おい聞いたか!人間が入って来たって!』

『いや人間ではなく妖混じりだそうだ。しかも妖狼族っていう話だ。』


『妖狼族?随分昔に絶滅したんじゃ?誰が連れて来たんだ?』

『柱の雪斗様らしいぞ。あの様な方がどうして…』

_

__

___


豹牙『っ…』


少年はどれくらい寝ていたか、ふと思っていた。

起きてみれば山の中ではなく、何処かの部屋で寝ていた。


?『目が覚めたのですね。』

豹牙『っ!』


?『怯えなくて大丈夫ですよ。ここは栄華組の屋敷です。』

豹牙『栄華組…?』

?『貴方、山の中で傷だらけになっていたそうで。

私の部下が運んで来たのです。』


豹牙『あんた、誰?』

撫子『私は栄華組二代目頭領、守護主撫子と申します。

貴方は…そう、豹牙という名ですか。』

豹牙『っ!なんで俺の名前っ!!』


すると撫子は、豹牙へ近づき、黄金の瞳を輝かせた。

目が合う豹牙は力が入らず、ただ撫子と目を合わせている。

豹牙は力を振り絞り、撫子から離れる。


豹牙『何、したんだ…っ』

撫子『貴方の記憶を覗かせてもらいました。

親に捨てられて、親も、人も、そして妖怪も嫌い…ですか。』

豹牙『っ!!その話をするんじゃっ!!う''っ!!』


撫子『本当は付けたくなかったのですが、雪斗からのお願いなので付けさせてもらいました。

その炎獣印(えんじゅういん)は、一種の妖力封じです。

貴方が力を解放すればする程、体は炎に焼かれた様な痛みが襲います。』


豹牙『ってめぇ…!!』

撫子『さて、貴方はこれからどうしますか?

人間の世界、妖怪の世界、どちらで暮らしますか?』


豹牙『っ俺は…別にもう生きてても…』

撫子『それでは…死にますか?』


撫子は目を細め声を低くして言う。

月夜に輝いている銀髪に黄金の瞳、妖怪の畏が溢れ出てる姿に豹牙は全身が震えるような感覚になる。

しかし豹牙自身は、どちらの答えを出せばいいのか迷っていた。









『…彼を私の継子(つぐこ)にさせてもらえないですか。』


豹牙『っ!え…』

撫子『っ!雪斗…』


部屋の襖が開いてと思えば、そこにいたのは豹牙をここまで連れて来た雪斗だった。

撫子は先程と変わらない様子で二人を見る。

しかし雪斗はそれに動じず、真剣な表情をしていた。





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シンア - 続き楽しみにしています(^-^) (2020年9月4日 0時) (レス) id: 0a57bf4dce (このIDを非表示/違反報告)
printemps(プランタン)(プロフ) - 先輩不純… (2020年8月3日 22時) (レス) id: adf0bec428 (このIDを非表示/違反報告)
ベルモット - また、最近ぬらりひょんを見始めているベルモットです。貴女の夢小説作品を楽しく読んでいます。続きを楽しみに待っています。 (2020年6月28日 17時) (レス) id: e8970a172e (このIDを非表示/違反報告)
深雪 - 今日私の誕生日。主人公時音に似ている。主人公を怒らせてはいけない。 (2020年6月12日 7時) (レス) id: 8e88cca1a9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:りっちゃ | 作成日時:2020年6月11日 19時

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