転生したら鬼人だった件 5【転スラ】

第217話 ページ28

「A様、リムル様、儂が必ずやお守り致しまする。ご心配には及びますまい。
敵本丸にはカリオン様が囚われておるやもしれぬし、やはり調査は必要でしょうぞ？」


ハクロウの言うことももっともだけど…


「リムル様、A様、私とて怒っているのです！
クレイマンを許せぬこの気持ちを抑えるのが難しいのです！」

『まぁまぁ、その気持ちは分かるけどさ…』

「…分かった、シュナの参加を認めよう」

『リムル！』

「A様！私とて、もう守られるだけの姫ではないのです！
どうか、私を信じてくださいませ！」


守られるだけの姫ではない、か。

そう言われるともうこれ以上強く引き止められないな…


『……分かった。だけど…ソーカ、いる？』

「はっ、ここに」


私が声をかけると、ソーカが姿を現す。


『トーカたちを連れてハクロウとシュナに同行し、クレイマンの城へ向かってくれ。
それなら、シュナの出撃を認めるよ』

「承知致しました」

「っ、ありがとうございます！A様！！」


ハクロウなら大丈夫だとは思うけど、念には念を入れて、だ。

ソーカたちなら、実力不足ということは無いだろう。
彼女らにも良い経験になるだろうし。


『シュナの安全を第一に考えるように！』

「「はっ！」」

「シュナのわがままを認めてくれて、ありがとうございます」

「私は転移できますので！万が一でも大丈夫です！」

「そうじゃな、儂の方が逃げ遅れそうじゃ」


ハクロウの言葉に皆の笑いが漏れる。

まぁ、彼らは精神攻撃への耐性は持っているし、シュナが入れば心配も皆無だろう。

カリオンのことは見つけてから考えてもらおう。


「くれぐれも状況を見極めるように。
作戦開始は、日が変わった瞬間、ワルプルギス開始直後とする！いいな！」

「「「「「了解しました！」」」」」


「ところで、竜を祀る民が百名ばかりクレイマン軍に合流しております」


ソウエイからの報告に私とリムルは首をかしげる。


『竜を祀る民って？』

「竜皇女であるミリム様を祀る者どもです」

「うーん、ミリムの配下か？」

『いや、配下は居ないって言ってたはず…』

「てことは勝手に敬っているだけかな…」


竜を祀る民、か。

どういった集まりかは知らないけど、百人くらいなら問題ないだろうな。

ベニマルも三獣士もいるしね。

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