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63.あたたかい ページ31
智「Aちゃん…」
私の後ろで声がする。
さっきまでお母さんと話てた人が、私の名前を呼ぶ。
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「っ…な、んで…っ、」
もう涙なんか止まらなくて、声なんか震えてて。
そんな私を後ろから抱き締めたのは。
…こんな温かい人はこの人以外いなくて…。
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智「…待って。泣かないで。…俺の話聞いてほしい」
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２人で家に帰って椅子に隣に並んで座る。
帰り道、大野さんが泣きじゃくる私の肩を抱いて
優しく頭を撫でてくれた。
その優しさが余計に私の涙を誘った。
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智「…、ごめん」
大野さんが何に対して謝ってるかなんて分かってる。
「……なんでですか」
智「…ぇっ、？」
「お母さんと…っ、なんでっ…？」
涙が止まらない。
なんで泣いてるかなんてもう分かんない。
ただ涙が止まらない…。
.
智「…Aちゃんのお母さんが学童に来たんだ。その時にね、…Aちゃんともう一度やり直したいって。一緒に暮らしたい…って言っててね？」
……何、その話…。
.
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智「…でね、…Aちゃんと、話がしたいって…」
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作者名：な り き | 作成日時：2017年8月7日 14時
