第七十六夜 相応の礼 ページ32
side 神風
「貴様ら、怪我などは無いな」
「え、あぁ、オレは大丈夫や」
「わたくしの事はどうでもよいのです!それよりも白夜様が…!」
「…それならば良い。商品に傷がついたとなれば価値が下がってしまうからな」
まるで白銀さんの事など目に入っていないかのように扱うインテリ野郎。
…一発思いっきり体重乗せて殴ったろかな。
「………
ふと背後から声が響く。
今までとは打って変わって低く、冷酷な殺意すら含むそれは確かに白銀さん本人のもの。
「いつまで己に
「…ッ!なにを根拠に!」
「反論なぞ求めておらぬ。答えられぬのならば問い方を変えようぞ、それで己を欺いているつもりか」
膝をついて俯いたままの白銀さんから発せられた鋭い言葉が飛ぶ。
長い前髪と顔の角度のせいで表情は読めへんけど、本気だ。声音でわかる。
「己を欺くのは容易では無い事など明々白々。
一介の人の子に過ぎぬ
そう言って顔を上げる白銀さんの表情には憂いが浮かんでいた。それはすぐにいつもの柔らかさを取り戻す。
「はぁ……嫌なものを見たものだ」
「白夜様っ!」
「うわっ、ちょ、飛びつくな」
さっきまでの冷たい印象は消え去って、いつもの白銀さんに戻る。よくわからん口調は何処へやら。
「…白銀さん、さっきんはなんスか?」
「あぁ…さっきの
すまなかったな、少々憤怒に飲まれたようだ」
「はぁ…」
ふわりと笑った白銀さん。ちょっと印象が違う気もするけど…まぁええか。
「久々だな、この感覚を味わうのは……
これを思い出させたあいつらには相応の礼をしなければいけないな」
あぁ、愚かな人の子よ。
アンタらはとんでもないもんを目醒めさせたみたいやで?
オレのその思考を読み取ったのか、白銀さんは澄んだ金色の瞳を輝かせながら、形の良い唇を吊り上げて妖艶に嗤った。
御神籤の王子様 ver.氷帝
大凶らしいで?攻めるん遅いわ
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ノア(プロフ) - けとるさん» 協力ありがとう( ^ω^ )3番だねー! (2015年12月13日 14時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
けとる(プロフ) - わし3がええ! (2015年12月13日 10時) (レス) id: bfe4a96d52 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - リオンさん» うわぁぁぁ感想もありがとうございます!1番ですね!これからもご愛読よろしくです( ^ω^ ) (2015年12月13日 8時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 楽しく読ませてもらっています。1番がいいです。英検、更新 頑張ってください。 (2015年12月13日 0時) (レス) id: cfd12bcb7b (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - こにーさん» ご協力ありがとうございます(=´∀`)人(´∀`=)3番ですね! (2015年12月12日 17時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノア | 作成日時:2015年12月5日 14時