【テニプリ】狐ノ鳴ク夜ニ 弐

第六十二夜 末永い金儲け ページ18

男たちが出て行ってから十数分。
あいつらは嫌がる黒川さんを引きずって戻ってきた。二度と来なくてよかったのに。

「あぁ、白夜様！ご無事で何よりです！」
「黒川さんも無事…みたいだね。さて…」

不安だったのだろう。しっかりと抱きついてきた黒川さんの頭を軽く撫でて宥めつつ、男たちを睨みつける。

「…随分反抗的な目だな」
「拉致しておいてどの口が言う」
「で？頭領。すげぇいい事ってなんだよ？」

バカ四人組の一角───とりあえず子分１でいいや。子分１の問いにリーダー格───こいつは頭領でいいか、がニヤリと口角を上げる。
…なんかすごい嫌な予感がするんだけど。

「『末永い金儲け』に使うのさ。延々と子供を創らせるんだよ！大量に繁殖すれば俺たちはずっと儲けられる…！」
「おぉっ！さすが頭領！」
「…いや、よくない。ちょっと待て。ボクたちは同性だぞ」
「しらばっくれても無駄な事。貴様が男に化けられることくらい、調査済みだ」

出会った当初は無口を決め込んでいた男───頭脳派というか立海でいうところの柳のポジションのこいつ。とりあえず子分２にしとくか。
子分２の発言にまたもドヤ顔する頭領。
どうしよう、こいつ殴り飛ばしたい。

「わたくしと白夜様のややこ……」
「待て待て待て！色々おかしい！あと黒川さんは頬を朱に染めるな！」

ぽっと頬を朱色に染める黒川さん。
だめだ、落ち着け。お前がノッたら本当にそうなるから！

「……はぁ、頭痛い……」

誰にも聞かれないようにボソッと呟く。
拝啓、立海大附属の皆様。
ツッコミが追いつきません。頭痛がします…

第六十三夜 不運→←第六十一夜 既視感

御神籤の王子様 ver.氷帝

大凶らしいで？攻めるん遅いわ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す