第六十一夜 既視感 ページ17
「……ッ!」
意識が戻り、ガバッと勢い良く上半身を起こす。
だが気を失う前に吸った液体の所為だろうか。ひどい目眩と頭痛だ。多少吐き気もあるし決して気分がいいとは言えない。
ゲホゲホと咳き込むこと数分。ようやく体調不良も収まりぐるりとあたりを見回した。
「ここは……さっきの古倉庫の中?」
埃の積もった沢山の木箱が山積みされた薄暗い一室。窓も電気もない。本来夜行性の狐の性質を持つボクからすればどうともないが、普通の人間からすればかなり暗い部類だろう。
「……随分と遅いお目覚めのようだな、“銀狐”よ」
「…誰だ!」
背後から聞こえた、ドアの開く音。
反射的に振り向くと、「どやぁ」という効果音、かつ「
「………お前、まだ懲りてなかったのか」
「ハッ、いつまでその減らず口叩いていられるか」
男───改め、過去2度絡んできたバカ四人組のリーダー格は挑発じみた笑みをこぼす。
よく見たらその後ろにも見知った顔が。
「俺たちゃ同志を集めて結託を強め、今じゃ巨大な組織だぜ」
「それはご苦労な事で。今すぐここから出せ」
「無駄だ。俺たちは貴様を捕らえるために力を蓄えてきた」
「もっと別のところに努力を注げ」
「今度こそテメェと化け猫の嬢ちゃんを高値で売り払って大金持ちになってやるって計画ゥ!」
「とんだ迷惑だな」
なんでここまでボクに執着するのか…わけがわからん。本当にいい迷惑だ。
「一つ聞こう。黒川さんは無事なんだな?」
「無論。あの化け猫も大事な商品だ」
…人を商品呼ばわりとは。
苛立ちを覚えるが、堪えろ、ボク。
今騒ぎを起こすと黒川さんに身の危険が及ぶ可能性だってある。
「…!はは〜ん、俺すげぇいい事思いついたぜ」
「ん?どうした頭領」
「逃げるなよ、“銀狐”……とはいえ逃げられないと思うがな!」
下衆で下品な笑い声を響かせながらバカ共はこの部屋から出て行く。
…なんだったんだ?
御神籤の王子様 ver.氷帝
大凶らしいで?攻めるん遅いわ
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ノア(プロフ) - けとるさん» 協力ありがとう( ^ω^ )3番だねー! (2015年12月13日 14時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
けとる(プロフ) - わし3がええ! (2015年12月13日 10時) (レス) id: bfe4a96d52 (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - リオンさん» うわぁぁぁ感想もありがとうございます!1番ですね!これからもご愛読よろしくです( ^ω^ ) (2015年12月13日 8時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
リオン(プロフ) - 楽しく読ませてもらっています。1番がいいです。英検、更新 頑張ってください。 (2015年12月13日 0時) (レス) id: cfd12bcb7b (このIDを非表示/違反報告)
ノア(プロフ) - こにーさん» ご協力ありがとうございます(=´∀`)人(´∀`=)3番ですね! (2015年12月12日 17時) (レス) id: 836babe48a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ノア | 作成日時:2015年12月5日 14時