何であんたら数値そんなに高いの？【名探偵コナン】

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「はい、指切った」

所謂指切りげんまんを私達はし、信号が青になった為運転手は前を向いて車を発進させた。
…一体何の意図があったのかはわからない。

「今日はチーズハンバーグだよ。チーズは嫌いじゃないよね？」

ハンドルを優雅に切りながら質問をしてくる保護者に、私は頷いた。

「そっか…良かった」

前を見ながら微笑む保護者の横についている危険度の数値は、今は少し下がっていた。

…この前からそうだが、どういう気持ちの変化なのだろうか。最初は貼り付けていたような胡散臭い笑みを私に向けていたが、最近こちらへと見せる笑顔はどこか違う。本当に、親が子供を見守るような…そんな笑み。
行動一つをとってもそうだ。

やけに私を外へと出したがる。主に公園に。
理由はまあ、子供の内に遊べということだろう。子供は小さい内は外で元気に遊んでいる方が良い。それをしない私のことを配慮してのことなのではないか。

また、私のしたいことを優先してくる。たまに保護者と一緒の時、何かしたいことはあるか、と問われる。まあ大抵読書と返してしまうのだが。
…甘やかしているというよりも…まあ、子供は我儘を言う生き物なのだから私の欲というものを無視させたくはないというか…もっと貪欲になって欲しいようだ。私が同じ回答をする度に困ったように笑っている。

…この人は、本当に私の親になりたいと思っているのだろうか。それか、両親を亡くして可哀想だと思っているから私にこんなに配慮をしてくれているのだろうか。

「…」

まあ、考えても仕方ないが無い。考え過ぎかもしれないし。
例えそうだとしても、私はこの人と仲良くなりたいわけでもないし…悪いけど望むような子供にはなれないと思う。

せめて、あんたが子育てを面倒臭がるような類の大人だったら良かったが。
…普通ではそんな人はいない方が良いだろう。ただ、こっちとしては困る。一人の方が良かったり、好きな人間だっている。私だってそのお仲間さんだ。

ただ、この人を全力で拒まずに一人の方がいいとは言わないのは、人の配慮を無下にするのも失礼だと思ったからだ。別にこの人がどうなろうと知らないが、多少の礼儀くらいはある。金も時間も使って面倒を見てくれる人を全力で拒絶するのは、流石の私もしない。失礼だからだ。



「そういえば、何の食べ物が好きなんだい？」
「…パン」
「へぇ、じゃあ明日の朝ごはんはサンドイッチにしようか」

保護者は私を見ずに、柔らかく優しげに微笑んだ。

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