後悔するより前に進んで。 ページ47
妹と離れて、今度は元カレに目を向ける。
「先輩」
「っ、」
「妹のこと、無理して抱えようとしなくていいよ。やり直していいから」
「……君、は…本当に、何も、」
「…ま、妹のほうが一枚上手だったってことで」
「……す、すまな、かった」
「こんなことになるなんて誰も思いやしなかったさ。私も、貴方も、彼女もね」
「でも、俺は、皆で寄ってたかってっ」
「それはそれ。私は自分のことよりも碧に手を出そうとしたのに怒ってるから」
「………はは。君は、昔からそうだったなあ。俺と付き合ってた頃も…自分のことより、俺に付けられたいちゃもんに憤ってたっけ」
「ふ…そんなこともあったっけね。」
「……彼女が、俺でいいと言ってくれるなら。俺は彼女とやり直すつもりだ」
「ん、そか。」
「君達の事情を知っているのは、俺だけだから。せめて今回のことがなんとかなるまでは、彼女を支えようと思う」
「うん」
「…俺がこんなことを言うのは、無責任かもしれないが…お元気で。」
「先輩も。身体が資本なんだから、あんまり無理はしないでよ？」
「はは、ありがとう。…また、いずれ。」
憑き物が落ちたような様変わりようだなあと思いながら、私は二人と別れを告げた。
また会うって言ってもきっと当面先のことになる。それまではどうか、自力で頑張っていて欲しいところだ。私には二人がいるけれど、先輩達にはお互いしかいないのだから。
「……いいんですか、A。あの二人を許してしまって」
「んー…私としてはさ。もうぶっちゃけ、どうでもいいんだ。言ってしまえば二人のおかげで灯と碧に会えたようなものだし。あの二人の“まだ私に許されてない”っていう気持ちが原動力になるなら、それはそれで十分だと思う」
「…Aは…俺達と知り合えて、嬉しかったか？」
「んふふ、それはもう！天変地異の前触れを疑ったって言っても過言じゃないくらいには、私にとっては奇跡的な出来事だったよ」
にゃー、と化け猫が私の足元で一鳴きする。
ああそういえば君を忘れていたと化け猫ちゃんを見下ろしてふと笑う。改めて抱き上げたところで、ふっと空気が変わったのが分かった。
…空気が変わった、というか、どうやら異空間から戻ってきたらしい。先程までいなかった人達が、変わらない様子で電車待ちをしている。
化け猫ちゃんは姿を消していた。
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雪猫と葛(プロフ) - とても面白くて楽しく読ませていただきました(*≧∀≦*)続きが気になって夜しか眠れないです(。・ω・。) (2020年2月11日 19時) (
レス) id: 5feb56ae02 (このIDを非表示/違反報告)
月切 蛍(プロフ) - とっても面白いです！薬売りさんをこれで知ってはまってしまいました！！続き楽しみにしています！ (2020年1月11日 18時) (レス) id: 34c99d5432 (このIDを非表示/違反報告)
ハイサネ(プロフ) - 前にも読ませて頂いており、また見に来てしまいました！続き楽しみに待っています！とても寒くなって参りましたのでお身体ご自愛下さいませ。 (2019年11月30日 13時) (レス) id: 31f88b5e8c (このIDを非表示/違反報告)
來蝶 - 一年程前に読ませて頂いて、また萌えを補給しに戻って参りました！！やべぇ尊い……鬼灯様も薬売りさんも大好きだけど、この夢主ちゃん好きです……… (2019年8月21日 23時) (レス) id: 561cea3de8 (このIDを非表示/違反報告)
いずみ(プロフ) - アナタ神ですか！？本当こんな夢が見たかったのです！本当最の高！続きを、続きをお願いします！！！ (2019年8月19日 22時) (レス) id: 9ee472f10b (このIDを非表示/違反報告)
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