煽っていくスタイル ページ18
「Aさんは有休を消化し次第、あの会社を退職しますので。後のことはお任せしますね」
「えっ？」
「長らく彼女が皆さんに迷惑を掛けていたようですが、もうそういうこともなくなるでしょう。後のご繁栄をお祈りいたしますよ」
あの会社でまともに仕事をしていたのは私だった。他の人は私に仕事を押し付けたり、私にちょっかいを出したりに夢中だったから。
妹の顔色があからさまに変わり、私に詰め寄ろうと歩み寄ってくる…それを遮ったのは碧だった。す、と私の一歩前へ出て、私と妹の間に割って入る。
「っ…違うんです、お姉ちゃんは悪くないんです、悪いのはわたしなんです！」
「しかし…会社の人間は、Aが悪者であると捉えている。今更…そんなこと言ったところで、連中は納得するまいて」
「悪者が誰であるにせよ、彼女の存在が仕事に支障をきたしているのは事実でしょう。で、あれば…そちらとしては引き留める理由もないのでは？」
「彼女がいなければ、さぞ仕事も捗る…そうでしょう？」
…私が悪者であることを前提に話しているのかと思えばそうではない。だって、彼らは妹の肩を持たない。私が悪いからそれを認めないから、だから代わりに謝るという素振りでもない。
ただ、どちらが悪者でも関係ないと言うような。そんなことには興味ないと言わんばかりの…今までには居たことのなかったケースだ。尤も、今までは私を悪者にする人間しかいなかったわけだけれど。…でも、魅力的な二人を妹がこのまま見過ごすとは思えないな。
「っ…待ってください、お姉ちゃんを辞めさせて解決しようなんて、間違ってます！」
「それこそ今更でしょう。この膠着状態が続いて一年、そう思うなら何故今まで何もしなかったんです？」
「…そ、れは、」
「潮時、ですよ。ここできっかり、けじめを付けましょうや」
もう、お二人の部屋は空いておりませんしね。
朗らかに笑んだ碧の言葉に、妹は目を見開いた。ああ、あの子のあんな顔、なんだか初めて見るような気がする。今までずっと、私の全てはあの子の手のひらの上だったから。
「空いて、ない」
「この度、ようやく彼女と同棲することになりまして。まあ碧さんも居るので厳密にはルームシェアなんですが」
「まあ、まあ。ちょっとくらい俺にも、いい目見させてくださいよ」
二人ともいけしゃあしゃあと振る舞うな〜…！
絶対あの子の腹の中大変なことになってるよ今。外面は良いけど結構腹黒だから。
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雪猫と葛(プロフ) - とても面白くて楽しく読ませていただきました(*≧∀≦*)続きが気になって夜しか眠れないです(。・ω・。) (2020年2月11日 19時) (
レス) id: 5feb56ae02 (このIDを非表示/違反報告)
月切 蛍(プロフ) - とっても面白いです！薬売りさんをこれで知ってはまってしまいました！！続き楽しみにしています！ (2020年1月11日 18時) (レス) id: 34c99d5432 (このIDを非表示/違反報告)
ハイサネ(プロフ) - 前にも読ませて頂いており、また見に来てしまいました！続き楽しみに待っています！とても寒くなって参りましたのでお身体ご自愛下さいませ。 (2019年11月30日 13時) (レス) id: 31f88b5e8c (このIDを非表示/違反報告)
來蝶 - 一年程前に読ませて頂いて、また萌えを補給しに戻って参りました！！やべぇ尊い……鬼灯様も薬売りさんも大好きだけど、この夢主ちゃん好きです……… (2019年8月21日 23時) (レス) id: 561cea3de8 (このIDを非表示/違反報告)
いずみ(プロフ) - アナタ神ですか！？本当こんな夢が見たかったのです！本当最の高！続きを、続きをお願いします！！！ (2019年8月19日 22時) (レス) id: 9ee472f10b (このIDを非表示/違反報告)
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