なんかセコムがつきました。

好意というものは諸刃である ページ13

「はわ…碧似合うが過ぎるぅ…！」

「好ましい？」

「最の高」

「ふ…それは何よりだ。」


柔軟性最骨頂かよ…天使だな…！

というか想像以上に似合うな碧…萌え袖様になりすぎか…かわいい。基本的に華奢で所作が淑やかだから尚更なあ。

鬼灯さんと比べると一回り以上小柄だし…まあこの場合は碧がって言うか鬼灯さんが大柄なんだろうけど…身長180以上ありそうだしなあ。


「…やっぱり袖が邪魔そうです」

「まァまァ。見目と機能性は両立しないものですよ」

「萌え袖とは要するに仕草萌えだよ、鬼灯さん。袖を避ける仕草が可愛いの！」

「語りますねAさん。そういうのがお好きなんですか？」

「正直大好きです」

「正直で何よりです」


引かないでくれる鬼灯さんも大好きです。普通だったらここまで萌え語りしたらもうドン引きだから。

碧も私のお強請りに応じてくれるし、理由があるとは言え二人とも優しいなあ。各々人の目というものを気にしない質なのかもしれないけど。


「こういうのが…良いんだろう？」


碧がしゃなりとした仕草で萌え袖のまま手で口許を覆う仕草を見せる。

こちらを挑発するような楽しげな眼差しにすらぐっときて、私は碧の背中に腕を回してぎゅううっと抱きついた。


「っと…随分、積極的な。」

「はぁ〜…好き…。あざとい…。」

「ふふふ…よし、よし。」


碧の両手も私の背中に回り、宥め賺すように彼の手が私の頭を撫でる。薬売りの生業を示すように彼からはお香みたいな匂いが香り、それさえ味わうように彼の首筋に顔を埋めた。

モノノ怪を生み出さない為だって言ったって、こんな甘やかされたら好きになるなって方が無茶な話だ。特に私なんか直前までみんなに嫌われてたからその反発力は強いぞ〜。


「はぁ…今から二人とのお別れが憂鬱だわ…」

「先を憂うの早すぎません？」

「だって今が最高に楽しすぎて逆にブルー…」

「情緒不安定か」


私鬼灯さんのそういう率直なところ大好き。

それなりの話をしてもなかなか重たくならないのが逆に良い。重い空気作りたくて話してるわけじゃないからなあ。


「そもそも貴方、私のこともイケメンだと囃すわりに私へのスキンシップが少なくありませんか？」

「えっ…いや、鬼灯さんそういうのあんまり好きじゃないかなって」

「好きだと言った覚えはありませんけど嫌いだと言った覚えもありませんよ！！」

「していいならします！」

「許可します！」

好き好き大好きありがとう。→←着せ替え人形は楽しいものだ

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す