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「私、名前覚えるの苦手なので、メモを…」


まともな人付き合いなんてしてこなかった私の苦肉の策

名前と特徴を走り書きした紙を
カルエゴ先生は二本指で挟んでいる。

先生は膝に乗せた片肘を付いて、
顔に手をやり、また薄く笑みを浮かべた。

大人のオトコの色気ッ

クラクラっと来ている私に先生は続けた。


「宙で覚えられん程、記憶力に乏しいという事か」


やっぱりさっきの撤回!

口と性格が悪い悪魔(ひと)でした。

まぁでも、
言われた通りなのだから仕方ない


「ハイそうです。だから返して下さい」


カルエゴ先生は
紙をヒラヒラさせて取ってみろと言わんばかり

手を伸ばすと、ひょいっとかわされて


「動きが鈍すぎるな。
本当に入間の姉か?」


嘲笑われた。

私は悔しくて
先生ということも忘れて


「イジワル…ッ」


唇を噛み締めた。

何故か先生の動きがピタリと止まった
その隙に、懸命に取ろうとしたら
思いのほかリーチの差が…

その上不安定なソファで
私はバランスを崩して、先生の胸に飛び込む形になってしまった!


嗚呼あああぁ…
終わった……。


しばらく自分の末路を予測して
灰になっていたけれど、はたと我に返った。


抱き付いたままだ、私…


先生は心なしか小刻みに震えている。

そーっと身体を離し


「たっ度々すみません」


とりあえず謝った。

すると先生はバッと立ち上がって
私の体は跳ねた。


「ム、ムキになるなッ
可笑しな奴め!」


そう言って
そっぽ向いたままメモを返してくれた
カルエゴ先生の表情は汲み取れなかったけれど、
耳は赤らんでいた。

8.→←6.



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宮本怜奈(プロフ) - オペラさん落ちにならないかなぁ (7月26日 15時) (レス) id: 7c7c8b709f (このIDを非表示/違反報告)
紫狐 - きゅんきゅん飛び越えてぎゅんぎゅんしてるよね、うん。 (2021年5月31日 2時) (レス) id: c31e34af03 (このIDを非表示/違反報告)
駒田針 - オペラさん落ちがいいです (2020年11月26日 1時) (レス) id: b768d69f7e (このIDを非表示/違反報告)
ミユミユミユウ(プロフ) - もう最高です!こんな素敵な作品作れるなんて感動の塊です!もう尊敬します(笑) (2020年5月11日 22時) (レス) id: b65a13c736 (このIDを非表示/違反報告)
みみみ(プロフ) - 初めまして、更新とても嬉しいです。今回のお話も一段と素敵で何度も読み返しております…!これからも応援しております。 (2020年5月3日 10時) (レス) id: 3238bdcfdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:周杜(シュウト) | 作成日時:2020年3月14日 16時

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