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4. ページ4

みんなが飛んでった風圧に飛ばされ

落ちる――ッ

と思ったら
黒い障害物にぶつかった。

床に打ち付けられた体を起こすと、
カルエゴ先生が背を向けて立っていた。

彼は、


「早く行け」


入間君を突き落とした!!

えぇー―ーっ!?

何てことを――
鬼!悪魔!
あ、悪魔だった…

い、いや、
彼のあの反射なら、たぶん大丈夫…
だよね…?

なんて安心してる場合じゃなかった!

私も
突き落とされるかもしれない――…

どどどどうしようッ

私は無理だ!
運動神経皆無なんだから!!


踵を返した鬼畜先生に見下される。

圧がすごい

金縛りにあったみたいに体は動かなくて、
視線を外す事すらできなかった。

カルエゴ先生は無言のまま
ツカツカと歩き出して、少し離れたところで止まった。


助かった…と思ったけど、
こ、今度は何!?

やっぱり突き落とそうか考えてるとか…?


一瞬頭によぎったけれど、
ハッとして
私は力を振り絞って立ち上がり駆け出して

カルエゴ先生を追い越し
エレベーターに乗り込んだ。


ズルかもしれないけれど、
私がゴールに辿り着く方法なんてこれしかない。

これは、
オペラさんが教えてくれた
(悪魔にとっては誉め言葉の)
ズル賢いよ!!

ダメだったとしても仕方ない。

評価なんていらない。

むしろ
生きて帰れるならそれでいい。


頭でぐるぐる考えていたら、
カルエゴ先生が乗り込んできた。

何か言われるかビクビクして
ジッとしていたけれど、さして指摘されずに移動した。


少しの間、
シンとした密室に二人きり

緊張せずにはいられなかったけれど、

扉が開いてから


「悪知恵は働くようだな」


背中越しに見せられた
薄く笑ったカルエゴ先生の意外な顔に、


――私は、
射貫かれてしまったんだ――…

5.→←3.



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宮本怜奈(プロフ) - オペラさん落ちにならないかなぁ (7月26日 15時) (レス) id: 7c7c8b709f (このIDを非表示/違反報告)
紫狐 - きゅんきゅん飛び越えてぎゅんぎゅんしてるよね、うん。 (2021年5月31日 2時) (レス) id: c31e34af03 (このIDを非表示/違反報告)
駒田針 - オペラさん落ちがいいです (2020年11月26日 1時) (レス) id: b768d69f7e (このIDを非表示/違反報告)
ミユミユミユウ(プロフ) - もう最高です!こんな素敵な作品作れるなんて感動の塊です!もう尊敬します(笑) (2020年5月11日 22時) (レス) id: b65a13c736 (このIDを非表示/違反報告)
みみみ(プロフ) - 初めまして、更新とても嬉しいです。今回のお話も一段と素敵で何度も読み返しております…!これからも応援しております。 (2020年5月3日 10時) (レス) id: 3238bdcfdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:周杜(シュウト) | 作成日時:2020年3月14日 16時

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