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放課後に先生と ページ21

放課後、スージー先生に言いつけられ片付けの手伝いに行った入間君は、
先に帰って、と。

アズ君とクララちゃんは、
そうは言われてもお友達たる者…
ってふたりして入間君の後を追った。


なんだかママと子供たちみたいで微笑ましい


私はというと、職員室へと向かった。


「失礼します
問題児クラスのAです。
カルエゴ先せ…あっ」


言い終わらないうちに、書類を手に目だけこちらを向いていた先生と目が合って胸が跳ねた。


「見ての通り私は忙しい
くだらん用件なら覚悟しておけ」


捲し立てられて慌てて尋ねた。


「あの、バラム先生ってどちらにいらっしゃいますか?」


見渡したところ姿の見えないその名を出せば、カルエゴ先生は眉間のシワをより濃くして


「シチ…バラム教諭に何の用だ」

「用事と言うか、その…
お話したい事があって」


ほんの少し黙った先生は、生物塔にいるだろうと教えてくれた。





そうは言われても、一つの塔だけでもとにかく広い。

いくつか部屋を覗いてみたものの


「此処も誰もいないか…」


また廊下を歩くと、覚えのあるヒール音が後ろから迫ってきた。


「こっちだ」

「えっ、カルエゴ先生?」


追い越し際に短く一言

足を止めない先生について行くと、


「バラム教諭に渡す書類があっただけだ」


背中越しに聞いてもいない問いに答えてくれた。


「話とは何なんだ一体」


苛立ってる?口調で言われて、すごく言いにくい事を、慎重に言葉を選んで答えた。


「えっと、その…
使い魔召喚の儀の時に、お世話になったのでお礼が言いたくて…」


だって、カルエゴ先生がショックで寝込んじゃうほど気にしてるあの一件だもの
思い出させてしまうのは気の毒で…

バラム先生の授業の時に、と期待していたのだけれど、


「一年の授業では通常は受け持たれていない」


今朝カルエゴ先生に尋ねたらそう言われたから。

私の返答には、
フンッと鼻で笑われた?だけで、それからはただ黙って歩を進めた。



暫し先生とふたりきりの時間

それは例え無言でも、私にとっては心躍るものだった。

2.→←7.



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宮本怜奈(プロフ) - オペラさん落ちにならないかなぁ (7月26日 15時) (レス) id: 7c7c8b709f (このIDを非表示/違反報告)
紫狐 - きゅんきゅん飛び越えてぎゅんぎゅんしてるよね、うん。 (2021年5月31日 2時) (レス) id: c31e34af03 (このIDを非表示/違反報告)
駒田針 - オペラさん落ちがいいです (2020年11月26日 1時) (レス) id: b768d69f7e (このIDを非表示/違反報告)
ミユミユミユウ(プロフ) - もう最高です!こんな素敵な作品作れるなんて感動の塊です!もう尊敬します(笑) (2020年5月11日 22時) (レス) id: b65a13c736 (このIDを非表示/違反報告)
みみみ(プロフ) - 初めまして、更新とても嬉しいです。今回のお話も一段と素敵で何度も読み返しております…!これからも応援しております。 (2020年5月3日 10時) (レス) id: 3238bdcfdd (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:周杜(シュウト) | 作成日時:2020年3月14日 16時

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