眩しい夏の忘れ物【瀬名泉】 (ページ3)

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忘れ物3 ページ3

瀬名side

それから、彼女…もといAは雑誌の感想をたくさん話してくれた

『…あと、このページの瀬名泉さんが

…………どうしました？』

泉「あ…いや、なんかこんな風に目の前でほめられること初めてだったから…」

そう言うとパァァっと笑うA

『えへへ…だってすごいんですもん！どこのどんなところから撮ってもかっこいいし！それに…』

それに…？

『楽しそう…』

そう言うAの瞳は…

青い空を見つめ、どこか寂しげを感じた

泉「ふぅん。あんた、どこの学校？」

『私ですか？えっと…夢ノ咲学院の音楽科です…』

夢ノ咲って…

泉「俺は夢ノ咲学院のアイドル科。てか、同じ学校でアイドルやってんのによく俺の名前知らなかったね。」

『アイドル科…モデルだけじゃなくてアイドルまでやってるなんて…瀬名泉さんは偉大だなぁ。

実は…私、学校行ってないんです。』

え…？

泉「不登校ってやつ…？」

そう言うとAは小さく頷いた

『たしか、最後に学校に行ったのは…ちょうど一年前ですかね。

それから毎日、家にいました。』

泉「あんた、独り暮らし？」

『いえ、両親と暮らしています。父も母もとても優しい人で…いつも迷惑かけちゃうんです…えへへ』

学校で何かあったのか…

聞きたいけど、これ以上Aの私情踏み込むのも悪い

泉「なんで…今日は外に出たの？」

『今日は散歩もかねてコレを買いにきたんです。』

そう言って見せてきたのは水色のノート

泉「日記張…？」

『はい。毎日、日記をつけてれば一日を忘れないでしょ？』

泉「ふぅん。マメだね。」

『そうですか？でも、家から出ないから毎日書いてることはおんなじみたいな内容で…

でも、今日はたくさんかけます！

今日の出来事でこのノート全部埋まっちゃいそうな勢いです！』

泉「ちょっときて…」

俺は気づいたら…無意識に、彼女のてをとり歩き出していた

『？』

泉「ちょうど俺も暇だから、あんたの日記作りに付き合ってあげる」

『………は…はい！』

夏の眩しい日射しの中、

二人で歩き出した＿＿＿＿＿

『…………。』