妹、罪歌と見たもの ページ26
ゴロゴロゴロゴロ...
雷が鳴り始めて、辺りもすっかり暗くなった。
A「大丈夫ですか？」
杏「はい」
今は使われていない、古い工場の扉の隙間から中の光りが見える。
杏里さんのあとに続いて、その上から私も中を覗いた。
杏「ッ!」
A「・・・」
中には、それぞれが何かしらの黄色いものをつけた男達の中で、高い位置にある古びた黄色のソファーに腰掛ける紀田正臣君の姿だった。
私の下で覗く杏里さんの目は、見開かれたままでそれを見つめていた。
A「杏里さん、行きましょう」
杏「は、い...」
いつからか外は雨が降っており、それが一層杏里さんの声が震えているように受け取れる。
ガタッ！
男「誰だ!!」
A「杏里さん、こっち!!」
近くにあった軽い何かにぶつかって、少し大きめの音が出た。
中にいた誰かがそれに気がつき、後ろから数人の足音が聞こえる。
A「ここに入ってください!」
杏「はいっ」
子供が通れるくらいの簀子が重なったようなところの隙間に入り、奥に進む。
杏「ごめんなさい、私のせいで」
A「杏里さんが気に病むことじゃありません。あれを見てからでは動揺するのも当然です」
杏「ごめんなさい」
体操座りになって小さくなっている杏里さんは、かすかに震えていた。
流石に、ここを私一人がどうにかするのも難しいよな。
そう思い、ある人物にメールを送った。
A「杏里さん。人が来るので静かにしていてくださいね」
杏「は、い」
それからどのくらいが経ったとき、黄巾賊が私たちのいる場所を気づき始めた。
男「この奥〜じゃねぇかな？」
男「狭くて、無理っすね」
正「俺が行く」
男たちや正臣君の声を聞いて動揺したのか、または自分であることがバレるのに恐怖を覚えているのか、杏里さんの目には涙が浮かんでいるように見えた。
A「大丈夫ですよ。大丈夫」
声をなるべく抑えて、杏里さんの耳元でそう囁いた。
震える体に手を回して抱きしめる。
Ｑｒｒｒｒｒｒｒｒｒｒｒｒｒｒ
刹那、雨の音をかき消すほどの馬の嘶き声がその場を支配する。
そして、杏里さんの携帯に着信が来た。
杏「ッ！これ、Aちゃんが？」
A「はい。まずは逃げましょうね」
来たメールに急いで返信すると、杏里さんは少し驚いてそう言った。
さて。
言葉には出さないけれど、そう呟いて私は自らの顔をフードで隠した。
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奈倉(プロフ) - 萩之介＆長太郎with氷帝テニミュ依存者さん» ありがとうございます！高校生活楽しみましょうね！ (2015年7月17日 15時) (
レス) id: b123818c32 (このIDを非表示/違反報告)
萩之介＆長太郎with氷帝テニミュ依存者(プロフ) - 待ってましたー！！！！！私も今年高校生デビューしたので大変な気持ちよくわかります…！お忙しいとは思いますが、更新頑張ってください！！ (2015年7月15日 21時) (レス) id: 622201a805 (このIDを非表示/違反報告)
奈倉(プロフ) - 萌さん» 返信遅れてすみません！これからは、妹の秘密を紹介できればなと思っています！ (2015年7月14日 19時) (レス) id: b123818c32 (このIDを非表示/違反報告)
萌 - これからどうなるのでしょうか? (2015年5月5日 11時) (レス) id: 61c9a2dbc8 (このIDを非表示/違反報告)
のばら(プロフ) - わーむさん» いつまでも待たせないように、頑張らせていただきます！(＞Д＜)ゝ”ww (2015年3月17日 21時) (レス) id: b123818c32 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：奈倉 | 作成日時：2014年8月8日 18時
