【あんスタ】サバサバ女子 (ページ20)

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20話ページ20

「やっほ～♪Aちゃん！」

『んげっ、薫さん…』

「そんなにあからさまにっ！？」

今は放課後。

今日はUNDEADのプロデュースを予定しているので、
零が活動しやすいように少し時間を置いてから、レッスンを始めることにした。

クラスメイトなど
仲の良い人たちはそれぞれのユニット練習や部活がある上に、

気分転換をしたかったので、1人でぶらつこうと廊下を歩いていた。

やはりいつも通りガーデンテラスか…。

そう思い真っ直ぐそこへ向かうと、

UNDEADのメンバーの1人で
チャラいけど実力のある【羽風薫】がいた。

『…聞かなくてもわかるけど、どうしてここに？』

「Aちゃんが、ここに来ると思って♪」

『だと思った』

「やっぱり俺に対してやけに冷たいよねっ！？」

そりゃそうだ。

対面して最初の言葉が

「あっ、もしかして、君が噂のプロデューサーちゃん？
すごく可愛いね♪
プロデュースより俺とデートしない？」

いくらイケメンとは言え、初対面でマシンガントークとナンパは正直怖かった。

その時は何故かタイミング良く零が助けに来てくれたため、その場をすぐに離れたが。

『まぁ、最初が最初だったから…。

今は必死にお願いされたタメと名前呼び、
しかも軽口を叩くことが出来るようになったくらいには好きだけど？』

「えっ…」

『てか私、薫さんがパフォーマンスしている姿はステージを初めて見た時から好きだけど？

表情がイキイキしてるし、輝いてる。

本当の薫さんの気持ちが表れているようでね、好き』

薫さんはいつもの飄々としているを無くして、顔を紅く染めて狼狽えている。

私は人の感情に対して、鈍感ではない。

むしろ敏感な方だ。

彼がどんな感情を私に対して抱いているのか正確なことまではわからないが、
ほかの女の子へとは違う、
本気を秘めている感情を向けてきている。

「…君は本当に…」

『本心だよ、本心。
私は零とは違ってストレートに伝えたいタイプだからねぇ…♪
頑張って慣れてね？』

「う～…はいはい、頑張って慣れるよ…」

やっと私にも内にある自分を見せ始めた彼。

これからも見せていってほしいなと思いながら
彼が呆れながらも柔らかく微笑んでいる顔を見て、微笑みを返した。