コンパートメント探し ページ15
Aはホグワーツ特急の中をぶらぶらと歩いていた。
どこのコンパートメントに座ろうかと悩んでいる隙に汽車は動き出し、今やどこを覗こうにも満席か、もしくは空席があるにも関わらず先輩しかいなかったりと、内向的な彼女には入りづらいものだった。
マキマさんはそんなの気にしないんだろうけどな。
Aは若干気落ちしながら足をすすめていく。すると、ちょうど二人しかおらず、おまけにペットの梟とネズミを介して会話の話を盗聴すれば、一年生らしい初々しい様子が伺えた。
そこに乗り込んでいたのはハリー・ポッターとロン・ウィーズリーだったが、既にハーマイオニーと友人になったAは今更主要人物に関わることをどうも思わなくなった。
＊
扉をノックしてから開ける。二人分の視線がAに刺さった。
「こんにちは。ここに座っていいかな？ 他はもうどこも空いてなくて」
「やぁ、君もかい？ 座れよ、ここは僕たち二人だけだから。いいよね？」
ロンが向かいに座るハリーに伺うと、ハリーはこくりと頷く。Aは礼を言ってロンの隣に座り込んだ。
「あー、僕、ロン。ロン・ウィーズリー」
「僕はハリー・ポッター。よろしく」
「A・A。よろしくね」
その後はハリーが買った車内販売のお菓子を食べながら話をした。Aが日本の魔法界出身の魔法族だということを話すと、ロンはどこか申し訳なさげに言った。
「あー、ごめん。日本の魔法界についてはあまりよく知らないんだ。せいぜい知ってるのは三大名家ぐらいで……」
「僕は何も知らないや」
「まぁ、鎖国が終わった後も他の国の魔法界とはあまり交流してなかったしね。こんなでも、最近はなんとかいい関係を築こうとはしているんだ」
そんなAの言葉に、二人はそれぞれお菓子を口に詰め込みながら興味があるのかないのかよくわからない返事をした。
しかし、マホウトコロについこの間までは通っていたと話すと、ロンは途端に目をイキイキさせた。
「マホウトコロ！ 僕そこは知ってるよ！ クィディッチの強豪校でしょ！？」
Aの頭からはその設定はすっかりと抜け落ちていたが、ロンはクィディッチの大ファンだ。
その事を脳内にしっかりとメモを取っている間に、ネビル・ロングボトムがヒキガエルを見なかったかと尋ねてきたが、見ていないと教えると「もし見かけたら……」としょんぼりしながら次のコンパートメントへ向かっていった。
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息抜き(プロフ) - 真昼さん» コメント有難う御座います！ 良いですよねぇ、ハリポタとチェンソーマン。 (2023年1月12日 22時) (
レス) id: aff75be4a1 (このIDを非表示/違反報告)
真昼 - 好きな物語がクロスオーバーされていて、嬉しかったです！ (2023年1月12日 17時) (レス) id: 3174c03de1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：息抜き | 作成日時：2022年12月17日 17時
