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#04 ページ5

「で、こんな時間に何の用だ」
「暇つぶし」
「……ハァ。たまに来たかと思えばこれかよ」

こうも隠さずに特大のため息をされると、さすがにムカつく。こういう所があるから好きになれないんだ。
従順であってほしい訳では決してない。が、癇に障るというかなんというか。だから対話もまともに出来ないし、何より自分の能力に感情を波風立てられるのがたまらなくムカつく。

「ムカつくなら帰れよ」
「誰のせいかな」
「オレは何もしてねえぞ」
「……はぁ」
「何でため息つくんだよ!」
「あんたの真似」
「はァ?」

なんでこんなのが私の力なのか。不思議でたまらない。


とはいえ、ここで戻ってしまってもどうせ暇なのである。もう少し粘りたい。
周囲を見回すが辺りは闇。やはり何も見えないな。見えるのは一つの灯とそれに照らされる鴉様(・・)だけ。

仕方ないので少し歩いてみる。灯を背にし真っ暗闇に足を踏み出す。何度もここに来たことがある為この空間に何も無いことは分かっているが、それでも多少の恐怖心はある。暗闇に対しての恐怖か、それ以外の何かに対しての恐怖かは分からないけど。
背中に張り付く視線が気にはなるが、特に何か言ってくる訳ではなさそうなのでこのまま先に進んでいく。一つの灯から離れることはそう難しくなく、あっという間に自身の掌さえも見えなくなった。気配が無ければそこに何も無いこととそう違わないだろう。


(真っ暗闇に溶けてしいそうな私の感情。零れ落ちてすべて無くなってしまえばいいのに。)


そんな無意識下の願いによりさらに奥へ、また一歩踏み出そうとした。
そのとき左肩に大きな手が置かれた。


「今日はここまでだ」

夜光の声。
今まで灯の側から動いたところは見たことないのに。わざとなのか。
振り返らずに訊く。

「何故」
「まだお前には早い」
「この暗闇が?」
「そうだ」
「……ふーん」

どういう意図かは分からないが、どうやらどうしてもこの先には行かせたくないらしい。左肩に置かれた手から感じる霊圧がいつもよりも強いのは、そういう事だろう。
ここで振り切って行くのも一つだが、滅多にここまでしてこない夜光からすると何かがあるのは間違いない。なので、今日のところは引いてあげよう。

「珍しいね」
「何がだ」
「分かってるくせに」
「……知らねえな」

どうしても口は割らないと。これは気になるな。一体この暗闇の先に一体何があるというのか。

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ぎるたん - シグさん» お返事遅くなりすみません。 コメントありがとうございます。浦原さん選んで良かったなと思いました笑。 完結まで頑張りたいと思います! (2020年4月20日 1時) (レス) id: abc690efab (このIDを非表示/違反報告)
シグ - 面白いですね!?僕は浦原さん好きなので…応援してます!頑張ってください! (2020年4月17日 19時) (レス) id: b759b643e6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ぎるたん | 作成日時:2020年4月13日 1時

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