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重い腰を上げて私が向かったのは、空座町内のとある駄菓子屋。昭和感漂うそこには『浦原商店』と看板が掲げられている。もちろん明かりは点いていない。
微風でもカタカタと音を鳴らすような引き戸の前に座り込み、虚が寄って来ない程度に少しだけ霊圧を上げる。虚が来ると
そんなどうでもいい事を考えていると、背後から光を感じた。どうやら今回も中に入れてくれるらしい。
下駄の音が聞こえたところで霊圧を下げると、カラカラと音を立てながら戸が開けられた。
「やはりアナタでしたか」
「今晩は」
寝惚け眼ながら少しムスッとした表情のこの男、浦原喜助。簡潔に説明するならば、この店の店主だ。思考が読み取り難く食えないやつだが、詮索してくることはあまり無いのでそれなりに気が楽ではある。少々面倒な部分もあるけれど。
「ご用件は？」
「暇潰し」
「そうですか」
まあ、相手も大体同じような印象を持っているんだろう。必要最低限の面倒事以外には手を出さないってね。
それでもこうして鍵を開けてくれるんだから、"良いヒト"ではあるのだろう。
「今週末ジン太と雨の運動会があるんスよ」
「そうなんだ。ま、見に行けないけど」
「おや、それは残念」
「思ってないでしょ」
「あ、バレちゃいました？」
「……ムカつく」
こんな大したことない会話でもしないよりマシだと思えてしまってるあたり、相当暇なのだ。
それもこれも、夜が長いせいだろう。
「とりあえず中へどうぞ」
「じゃあお言葉に甘えて」
「……少しは遠慮したらどうです？」
「許可したのはそっちでしょ」
「ハイハイ」
相変わらず土間にある商品棚にはたくさんの駄菓子が陳列されており、駄菓子屋としての一面が見て取れる。今も普通の人間相手ならこれで十分カモフラージュ出来てるのか。そもそもあまり客が来なそうだけど、とりあえず突っ込まないでおこう。
……一個くらい取って食べてもバレないかな。あ、霊体だと現世の物は食べられないか。残念。
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ぎるたん - シグさん» お返事遅くなりすみません。 コメントありがとうございます。浦原さん選んで良かったなと思いました笑。 完結まで頑張りたいと思います！ (2020年4月20日 1時) (
レス) id: abc690efab (このIDを非表示/違反報告)
シグ - 面白いですね！？僕は浦原さん好きなので…応援してます！頑張ってください！ (2020年4月17日 19時) (レス) id: b759b643e6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぎるたん | 作成日時：2020年4月13日 1時
