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戦いの神 ページ7

自身のルフちゃんを。

それも一般人でも目視出来るほどの密度を持った黒いものを。



辺り一面、まるで深夜のような暗さになるほどに出現させた。



それをイメージの通りの場所に糸を張り巡らせる。



そして指揮でもする様に。ただひと振り。

ストン、と指を下ろす。



音もなく、ただ静かに目の前の男たちは命を落とした。


バラバラに。輪切りにされて。



実に呆気無い。人の命なんて所詮こんな程度なのか、と思い知らされるほどに。




いつの間にか周りは再び明るさを取り戻していた。

いや、真っ赤な色に染まっていた。


鼻につく鉄の匂いを醸しだして。




ここまでの動作、1秒弱。


その間の意識はなかった。完全なる無意識のうち。

気がついた時にはもう遅かったのだ。




「…あ。」




そんな小さな呟きしか出なかった。



本当はなるべく問題を起こしたくなかったのだけど。

それは無理だった。



最近、お仕事が無かったからだろう。

血を見ることが少なかったからだろう。

人を殺していなかったからだろう。


ただ、それだけの理由。



戦いの才能と言うものに愛された彼女に課された条件。

否、才能と言う言葉では生温い。


情熱的に。熱情的に。狂気的に。執拗的に。執着的に。


ただひたすらに、戦いの神に愛された。



本来、ルフを他のものに変えることは出来ない。

関節はそんなふうに曲がる訳がない。

筋肉がそんなふうに動く訳がない。

計算で行動を読める訳がない。


その不可能をすべて可能にしているのが彼女なのだ。



しかしそれ故に、自分の意志とは関係なく人を殺し、解体し、血を眺めなければ気が済まなくなる。



彼女は探しているのだ。永遠に。

「心」と言うものを。

ジャーファル→←迷子



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夕黄 - 一話からずっつと読みました。とてもなけました。また作品を作ってください (2017年12月11日 19時) (レス) id: 81431dc03d (このIDを非表示/違反報告)
rain - 面白かったです!これからも更新頑張って下さい!無理はしないでくださいね! (2016年4月12日 17時) (レス) id: 6793ed2170 (このIDを非表示/違反報告)
エネ - 早く続きが見たいです。 (2016年4月10日 10時) (レス) id: dc9c94dfda (このIDを非表示/違反報告)
ステラ(プロフ) - おもしろいです!更新頑張ってください (2016年3月5日 20時) (レス) id: 7df81c3a51 (このIDを非表示/違反報告)
akua(プロフ) - 紅妃さん» すみません打ち間違えです(汗)正確には午後6時です!教えていただきありがとうございます! (2015年5月16日 19時) (レス) id: 08055b1de1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:akua | 作成日時:2015年4月20日 22時

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