一つの月 ページ20
頭の中に断片的だが、映像が流れる。
「私は、この国から逃げた…？
それで、煌帝国に行って…楽しくてそれで…。
でも、私は…暗い中で一人で…」
守りたくて、と。
虚ろな瞳で。視点の定まらないその瞳で。
頭に浮かんだことを声に出した。
ただ頭に浮かんだことをひたすらに口に出しただけなので、言葉の繋がりはない。
だが、それを聞いていたジャーファルは何か遠い場所を見るような目で彼女を見ていた。
大切な。大切な何かを。
かけがえのないものを。
以前、目の前の彼女と重なった影も、何か理由があるのではないか、そう思った。
しかし、それからはなにも思い出すことはなく。
先程の声が頭に残っているだけだった。
少し落ち着きを取り戻し、ふと窓の外を見る。
辺りはもう茜色に染まっていた。
いや、正確には紫色も混ざっていた。
グラデーションがかったその空に1つ浮かぶ月。
「月は暗い中でいつも一人ぼっちね。
…まるで私のよう。」
何処か遠くを眺めるような、そんな目をしながら、ポツリと独り事のようにそういった。
いつも沢山の大人に囲まれて、そんな人達を思うがままに動かすことができる彼女がなぜそんな事を言うのだろうか。
ジャーファルはそんな彼女の言葉に疑問を持ちながら、目線をその月へと移した。
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夕黄 - 一話からずっつと読みました。とてもなけました。また作品を作ってください (2017年12月11日 19時) (
レス) id: 81431dc03d (このIDを非表示/違反報告)
rain - 面白かったです！これからも更新頑張って下さい！無理はしないでくださいね！ (2016年4月12日 17時) (レス) id: 6793ed2170 (このIDを非表示/違反報告)
エネ - 早く続きが見たいです。 (2016年4月10日 10時) (レス) id: dc9c94dfda (このIDを非表示/違反報告)
ステラ(プロフ) - おもしろいです！更新頑張ってください (2016年3月5日 20時) (レス) id: 7df81c3a51 (このIDを非表示/違反報告)
akua(プロフ) - 紅妃さん» すみません打ち間違えです（汗）正確には午後6時です！教えていただきありがとうございます！ (2015年5月16日 19時) (レス) id: 08055b1de1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：akua | 作成日時：2015年4月20日 22時
