運命に抗え ページ14
ジャ「つきましたよ」
扉を開けてもらい中に入る。
軽く周りを見渡すと、ここの本も中々のものだという事がわかる。
昔のものから新しいもの、倫理学や天文学のような難しい本から絵本や童話の類まで揃っている。
私達は入口付近の机に二人で向かい合うようにして座った。
なんだか紅炎お兄様ともこうして本を読んだ気がするわ。
ジャ「姫君は本がお好きなのですか?」
唐突に切り出す。
私は、「ええ」と頷いた。
「お仕事以外で外に出ることなんてないから。
暇つぶしに本を読んでいるのよ。」
ジャ「それは…そのお仕事は辛くないんですか?」
お仕事の内容を言ったわけではないのだけれど。
しかし、聡明な彼にはきっともう分かっているのだろうと納得した。
「辛くないわ。
前に言った通り定期的に殺しをしないといけないし…」
それに…と言葉をつなげる。
そしてニコリと幸せそうな笑顔で
「必要とされてるって分かるもの」
そういった彼女を。
ジャーファルは何かの影と重ねた。
ー それにね!必要としてくれるの! ー
その声を。聞こえない声を聞いた。
「だから私は負けないわ。
例え利用されようとも。ただの駒だとしようとも。」
その言葉にジャーファルは肩を揺らす。
そしてあの会話を聞いていたのだと瞬時に理解し、
途端に悲しくなった。
ごめんなさい、と謝りたくなった。
しかし、その言葉は飲み込まれた。
「作られた道なんて壊してしまえばいい。
それが運命だというのなら、私はそれに抗い続けましょう。」
凛としてそう言う彼女の美しさに、声が出なくなった。
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夕黄 - 一話からずっつと読みました。とてもなけました。また作品を作ってください (2017年12月11日 19時) (レス) id: 81431dc03d (このIDを非表示/違反報告)
rain - 面白かったです!これからも更新頑張って下さい!無理はしないでくださいね! (2016年4月12日 17時) (レス) id: 6793ed2170 (このIDを非表示/違反報告)
エネ - 早く続きが見たいです。 (2016年4月10日 10時) (レス) id: dc9c94dfda (このIDを非表示/違反報告)
ステラ(プロフ) - おもしろいです!更新頑張ってください (2016年3月5日 20時) (レス) id: 7df81c3a51 (このIDを非表示/違反報告)
akua(プロフ) - 紅妃さん» すみません打ち間違えです(汗)正確には午後6時です!教えていただきありがとうございます! (2015年5月16日 19時) (レス) id: 08055b1de1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:akua | 作成日時:2015年4月20日 22時