計られた ページ3
「大変なことになっちまってるじゃねェか、沖田くんよォ」
電話越しから聞こえる呆れかえった声に、少し苛立ちを感じながらも言い返せやしない。
「ったく、嫌になっちまいやすぜ」
「どこの番組もテメーらの特集だらけだぜ」
「プライバシーもクソもありやせんねィ」
ため息交じりに愚痴れば、旦那はハハッと乾いた笑いを漏らした。
最も、顔は笑えていないのだろうが。
「っつーか、なんなんですかィ。アンタから俺に代われなんて」
話を本題に戻すように促せば、旦那も素直にそれに応じる。
「お前らの写真の情報源、特定したんだよ」
「はァ？」
その言葉に思わず眉を顰めれば、旦那は途端に得意げな声で語る。
「ま、万事屋ナメンなってこった」
「・・で、それはどっから」
早く言えと急かせば、「情報量、あとで振り込めよ」と抜け目ない。
それに答えたのを境に、確信を持った口調で旦那は言った。
「Aの事務所だ」
「はァ！？」
再び眉を顰めれば、旦那の声音も若干小さなものになる。
従業員二人には聞かせたくないのだろう。今も遠くで、チャイナの喚く声がかすかに聞こえている。
「Aのライブがあったことは知ってンだろ？」
「知ってるも何も、警備してやしたからねィ」
「あ、そうなの？なら話は早ェ。見ただろ、あの状況。・・普通に考えておかしいと思わねェか？ソロとはいえ、異常なまでに人気なんだろ、アイツ。神楽に聞いた話では、グループの方のライブでもチケットは数秒で売り切れごめんらしいじゃねェか」
そこまでは知らなかったが、報道を見ていればソレにも納得せざる終えない。
今や、地方から遠征してくるファンも後を絶たないと聞く、Aのソロライブだ。
チケットが全部売れた上で、あの客入り数はどう考えてもおかしなものだ。
本人としては、自分のイメージチェンジがファンに受け入れられなかったと思っているようだが、それでもあの結果はどうみても極端すぎる。
「・・つまり、だ。全部計られてたンだよ。事務所の方にな」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 128人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
神阿(プロフ) - まどかさん» キュンキュンしていただけましたか・・！！よかったです！！応援ありがとうございます！がんばります！ (2016年4月17日 16時) (
レス) id: d25d67767d (このIDを非表示/違反報告)
まどか(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後きゅんきゅんしました( 笑 )これからも頑張ってください( o≧д≦) (2016年4月16日 23時) (レス) id: 14b55f647b (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 美輝姫さん» 最後までお付き合いいただきありがとうございました！がんばります！！ (2016年4月16日 21時) (レス) id: d25d67767d (このIDを非表示/違反報告)
美輝姫(プロフ) - 完結おめでとうございます！これからも占ツク頑張ってください！応援してます！ (2016年4月16日 21時) (レス) id: 387d6ce0ea (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：神阿 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kamiamatome/
作成日時：2016年4月11日 21時
