輝きを失った石 ページ12
思いはまとまらないまま、ライブの日がやってきてしまった。
しかし、だ。
私は自分の部屋から動けずにいた。
・
「私――・・まだ怖いの」
あの日、神楽ちゃんの腕を振り払いそう告げた。
ステージに立つことが怖い。暗くなった客席が、怖い。
目を閉じればまだあのライブの光景は広がり、脳裏から離れない。
・
部屋の隅で膝を折り曲げて座った。
ごめんなさい、お通。
最後まで信じてくれていた貴方を裏切るようなことになって。
だけど、お通ならあの世界を生きていける。輝かんばかりのダイヤモンドの様な笑顔で。
そう思えば思うほど、胸はキューッと苦しくなった。
俯きながら部屋のただ一点を眺めていれば、不意にインターホンが鳴り響き、その音にビクリと身体を揺らす。
誰だろう・・なんて気になる気持ちはありながらも、結局居留守をつかおうと身動きせずに居れば、唐突に聞こえた爆破音に目をぱちくり。
ガラガラと瓦礫を踏んで近づいてくる音に硬直していれば、すっかり見慣れてしまった黒い隊服が砂煙から覗いた。
「なっ、何やってるの？・・総悟」
「居留守なんてつかうなんざ、良い御身分じゃねェかィ」
バズーカを担ぎ挙げた総悟は、口角の端を少し上げる。
そんな彼を、あんぐりと見上げていれば、総悟は私と目線を合わせるようにしゃがみ込んだ。
「何してんでィ。ライブなんだろィ？」
「なんで、知ってるの？」
「てめェのマネージャーとやらが転がり込んできやがったからねィ」
それに若干の納得。
事務所に話は通していないと聞いていたが、マネージャーは知っていたのかと。
「オラ、行くぞ」
いつまでも総悟をポカンと見やる私に、総悟は私の腕を引いて立ち上がろうとする。
しかし、私はそれを拒んだ。
「い、いやッ・・」
掴まれた腕を振り払えば、総悟は一瞬驚いたような顔をしたがすぐにため息をついてまた、私の視線に合わせてしゃがみこんだ。
そんな総悟に、ボロボロとこぼれ出る本音。
「・・もう、ステージに居る私を必要としてくれる人はいない。私は、輝きを失ったただの石なの。私のことなんか早く――忘れてくれればいいのに」
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神阿(プロフ) - まどかさん» キュンキュンしていただけましたか・・！！よかったです！！応援ありがとうございます！がんばります！ (2016年4月17日 16時) (
レス) id: d25d67767d (このIDを非表示/違反報告)
まどか(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後きゅんきゅんしました( 笑 )これからも頑張ってください( o≧д≦) (2016年4月16日 23時) (レス) id: 14b55f647b (このIDを非表示/違反報告)
神阿(プロフ) - 美輝姫さん» 最後までお付き合いいただきありがとうございました！がんばります！！ (2016年4月16日 21時) (レス) id: d25d67767d (このIDを非表示/違反報告)
美輝姫(プロフ) - 完結おめでとうございます！これからも占ツク頑張ってください！応援してます！ (2016年4月16日 21時) (レス) id: 387d6ce0ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：神阿 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kamiamatome/
作成日時：2016年4月11日 21時
