例えば大切な人が2 (ページ15)

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side K.N.
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相変わらず熱と腰痛が辛かったけど、今日の仕事は最後までなんとかやり切った。

予想より早めに終わっちゃったから病院には一度家に帰ってから行こうと思って。

ワガママ言って家に送り届けてもらう事にした。

で、先に相葉くんの家に行くんだとばかり思っていたから少し休もうと思って寝てしまって、起きたら俺の家の前だし相葉くんは横にいるし…

寝起きで頭が鈍って何も考えられなかったけど、引っ越したからか、納得納得。

取り敢えず家に入る。

身体も怠いし何か食べる気にもならないや…

車の中でも寝たのに、でもまだ眠くて、スマホのアラームをかけて少し眠る事にした。

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眠っていたところにスマホが鳴り響いている事に気がつく。

でも、アラームの音じゃない。

電話の音で、無視しようかと思ったんだけど切るに切れないし、煩いし…

仕方がないから、重いまぶたをこじ開けてスマホを確認する。

「はいはい…」

『すみませんお休み中でしたか？』

「まあ…」

『それは失礼しました。この後、私も空き時間ですので送りますよ』

「…そ？なら、お願いしようかな…」

『承知しました。では、二時頃お伺いしますね』

「ありがと…」

寝起きで舌足らずなのは申し訳ない。

しかも、タクシーかなんかで行こうとしてたから断ろうと思ったのに、お願いしちゃった。

ま…いいよね、甘えても。

二時頃って言ってたし、流石にもうこれ以上寝ちゃうと起きれる自信がなかったから、適当にテレビをつけてた。

まあ、内容なんてほぼ頭に入ってこなかったけど時間が迫ってきてたから、家を出て下へ降りるともう来てくれていた。

「ごめん、何回も」

「いえ、大丈夫ですよ」

これ以上の会話もなかったし、何も考えずにただボーッと窓の外の景色を見て微睡んでいた。

あっという間に病院につき、まず診察室へ。

何度も来てるのに、どうしても病院独特の消毒のにおいに慣れる事ができずにいる。

ここに良い思い出って勿論無いし、辛い事しかないからかな…

そんな事を頭の端の方で考えながら、色々と答えていく。

熱が出たのは今日ではない旨を伝えると、もっと早めに来るように、と。

忙しい事を理由に我慢しても辛いのは自分だし、何より重い感染症とかだったら困るから、と。

もう少し自分を大切にして下さいって言われてしまった。