例えば大切な人が2 (ページ16)

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side K.N.
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それから一応感染症の検査を受けて、それの結果次第で治療をするって。

結果は直ぐに出るようにしてくれるみたいで、先に個室で待つ事になった。

「二宮さん、今度からはきちんと調整しますから早めに行きましょうね？」

さっきの先生の話を聞いてから、考え方が変わった。

本当は俺のせいで周りの人に迷惑になる事は嫌だったからオフまでは頑張っていたけど、それで倒れてしまったりする方が迷惑になる、って。

自分の身に起きてる事が俺じゃなくメンバーだったら、とかスタッフさんだったら、とか。

もし、そういう状況になったとして迷惑よりも心配が募っていくだけなんだよね、きっと。

「うん…迷惑かけちゃうけど、これからもお願いします」

そういう考え方もできるようになって、嫌だとは言えなかった──────…。

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結果、感染症ではなったらしく点滴一本だけで大丈夫だろうという事になり、抗菌剤を打ってもらった。

よかった…感染症だったら危なかったらしい。

治療はまた一週間後にするという事になり、また追加で突然の発熱の時に服用する薬をもらって今日はおわり。

今日は合間に睡眠を何度も挟んだから眠気もあんまり無くて、家に帰って来てからは今までの事やこれからの事とか、色々考え始めた。

そろそろ冬が終わる…思い返せば、ほぼ一年前なんだよな、違和感を感じ始めたのは。

春にドラマ撮って、苦しくなって。

夏の終わりにハワイで苦しくなって、同時に腰まで痛めて。

秋にはレッスン中やドームツアーでみんなに迷惑かけまくった。

それと同時に病気が分かった。

冬にはみんなに黙って入院して、手術までした。

みんなに病気の話をした時、黙ってた事をひどく後悔したし、病気があるからってだけで俺を遠ざけたりするような人たちじゃない事は自分が一番よく分かってたのに…

なによりこの四人とじゃなかったら俺はここまで頑張れてなかったと思う。

いや、絶対。

それだけは胸を張って言える事。

そうして、また新しい春を迎える。

昨年とは少し違う苦しさを抱える事にはなるけれど、まだこの人たちと十六年、十七年、その先もずっと共に肩を並べて歩いていきたいと思うから、最後まで治療を頑張ろうと思う。

これが、今の俺なりの考えであり、決意でもある。