例えば大切な人が2 (ページ14)

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side M.A.
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「ニノ、起きて。家着いたよ」

「ん…？あれ……さき相葉さんチじゃないの？」

「俺この前引っ越したからニノの家の方があの現場からは近くなったってこないだ言ったじゃん」

偶然にもいい理由が見つかったから、大いに利用させてもらう。

「そっか…またね、相葉さん」

「うん、腰お大事にね？」

「ありがと」

そのあと送ってくれたマネージャーにもお礼を言ってから車を降りていったニノ。

…

「ここに車停めておけないんで運転しながらでも大丈夫ですか？」

「あ、うん。お願いします。…でさ、どんな感じなの？」

「暫くは通院してくださいと先生はおっしゃってました。それ自体は一、二週間に一回程度なのですが副作用が辛いようで…ですがメンバーに言うつもりはないと。できれば二宮さんの気持ちを優先したいと思っていたのですが、相葉さん達も何か動いてますよね」

「……はは、バレてた？…えっとね、現場で会える人が様子うかがって連絡しようってレベルだけどね」

この人はマネージャーだし、むやみに他言しない、口が堅い人だって分かってたから教えてくれるとは思わなかったけど、この時ばかりは教えてくれてよかったって俺は思ったよ。

まあ、通院してるのを知ってるってのはニノにはバレないように努力するけどさ。

メンバーには内緒にしたいっていうニノの気持ちを裏切ってしまった、と後悔しているマネージャーだけど、それは無理やり聞き出そうとした俺にだって非がある。

でも、やっぱりニノの事なら知っておきたい。

仕事仲間だから、親友だから…家族以上の存在だから。

これからは何かあったらお互いに連絡し合って協力していこうねってニノ付きのマネージャーと約束した。

ニノの気持ちを考えずにこんな約束して、申し訳ないとは思ってるけど…

ごめんニノ、やっぱり俺はお前の事をちゃんと知って、守ってやれる存在になりたいんだ。

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『遅くなったけど、大丈夫そうだったよ』

みんなに安心してもらうために、家に着いてからそう連絡した。

なんとなく、グループメールで今日あった事を話す気にはなれなかったから、そんな風な連絡しかできなかった。