意味無きもの (ページ36)

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バレンタイン4 ページ36

ロ｢し、て…、｣

なんだこれ。

片手サイズの小さな可愛い箱。

咄嗟にAの方を向いたけど、Aは僕を見ているだけで何も言わない。

え、ナニコレ。

このサイズ…、もしやビックリ箱…？

いや、そのためにわざわざここまでするかな？

うーん、でもわざわざするような奴なんだよなあ。

そんな風に自分の中で葛藤してたけど、Aの目線が｢早く開けろ｣と言わんばかりだったので開けることにした。

両目瞑りながら片耳は肩で押さえつける(超ビビりな)姿勢で箱の蓋を開いた。

ロ｢っ…、｣

開いても何も出てきた感じはない。

恐る恐る目を開けると。

ロ｢…モンブラン!｣

『ロマニ、名前がマロンと何となく似てたから。』

お、おう。

まあ確かにそれは否定しないけど。

ロ｢どうして僕に？｣

『…甘い物好きでしょ。私も好きだったし今日は本来こんな雪山じゃなかったら素敵な日であって…。普通の生活しやがってる人間どもだけ幸せな気持ちにさせてやるかという嫉妬心から出来上がったもの。って感じかなあ。』

うん、余計何言ってるのか分からない。

『つまり、普通の人達の幸せを私がロマニにおすそ分けって訳。』

ロ｢幸せをおすそ分け…？｣

『まあ鈍感アラサー童貞には反応期待してなかったけど見事にある意味期待通りだったよ。』