まともな英霊 ページ23
所｢とんだセクハラオヤジね…。｣
所長もつい口に出して言うくらいなんだからちゃんとセクハラだったんだね…。
ほら、国によってセクハラの基準って違うじゃん！
ロ｢とにかく、事情を聞きましょう。どうやら彼はまともな英霊のようです。｣
急に通信してくるロマニ。
それに反応するキャスター。
ク｢おっ、それは魔術による連絡手段か？｣
やっぱキャスターだからその辺気になんのか。
ロ｢はじめまして。御身がどこの英霊かは存じませんが我々は、｣
堅苦しいロマニの言葉にため息をつかんとばかり口を挟むキャスター。
ク｢そういう前口上は結構だ。手っ取り早く要件だけ話せよ。｣
ロ｢うっ、｣
ク｢そういうの得意だろ、軟弱男。｣
ロ｢うぅ、軟弱…。｣
『良いぞもっと言ってやれ。』
所｢Aは黙ってなさい！｣
『あだっ、』
ポカンと所長からゲンコツを食らった。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
ロ｢つまり貴方はこの街で起きた聖杯戦争のサーヴァントであり、唯一の生存者なのですね？｣
ク｢『負けてない』、という意味ならな。…俺達の聖杯戦争はいつの間にか違うものにすり変わっていた。｣
所｢すり変わった？｣
ク｢経緯は俺にも分からねぇ。街は一夜で炎に覆われ、人間はいなくなり、残ったのはサーヴァントだけだった。｣
『へぇ…、』
ク｢真っ先に聖杯戦争を再開したのは｢セイバー｣の奴だ。奴さん、水を得た魚みたいに暴れだしてよ。セイバーの手で｢アーチャー｣｢ランサー｣｢ライダー｣｢バーサーカー｣｢アサシン｣が倒された。そして倒されたサーヴァントは、さっきのランサー宜しく真っ黒い泥に汚染されたという訳だ。｣
ク｢黒いライダーとアサシンはアンタらと会う前に仕留めた。バーサーカーは…、まあ、こっちが手出ししなきゃ襲ってこないだろ。｣
ロ｢では、残ったサーヴァントを倒せば…。｣
『聖杯戦争は終わるって事だね。』
所｢特異点Fの異常も治まる可能性も高いわね。それで居場所は分かっているの？｣
ク｢…あぁ。｣
そう答えながら後ろを振り向くキャスター。
ク｢…この土地の心臓を守っていやがるのさ。｣
ク｢汚染された大聖杯を。｣
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作者名：きなこもち | 作成日時：2018年5月3日 13時
