【テニプリ】最強ガールが出会ったのは５

194 ページ16

.






「…ろ、＿＿ひろ？、真宏！」





誰かの声に、ハッする
顔だけ向けると、そこには幸村が立っていた




『あ、ごめ…何？』

幸「君は、そんな曲芸の真似事もできるんだね」



ふふっと笑う幸村の視線はAの持ってるラケットへ

え？と思いそっちに顔を向けるとまたハッとした





幸「フレームで1、2…7個のボールをお手玉みたいにするなんて凄いじゃないか」

『あ…』




ボールを器用に拾い上げて、そのまま籠に打ち込もうとしていたのに…


ボーっとしていたAはそれを打ち込む事はせずトントンとバウンドさせて次から次へと拾い上げていた




幸「…気になるのかい？あの２人」

『えっ…？』

幸「さっき、2人に断りを入れずに離れただろ？
俺が気付かないと思った？」

『…見られてたか』

幸「いいの？2人きりにしても…」

『ん、なんで？
別に２人は同室で元々知り合いみたいだし、全然だよ！』



らしくもなく、あははとキャピっとした笑いがでる

そんな反応に幸村は納得するはずも無く難しそうな顔をした




幸「…初日で再会を喜ぶ事よくある事だからね
けど、無理はしてはいけないよ」

『うん、大丈夫それにホラ…！
あの子の笑顔って、なんか壊しちゃいけないと思うんだよね』




赤也達に視線を向けると、まだ話してる

南の笑顔はまるで守りたくなるようなそんな気持ちにさせる


それを赤也も笑って対応





これを強がりと言うのかもしれないけど
不思議と優しい気持ちになれて、私の笑顔もきっと今は柔らかいと思う


それに赤也のあの顔を見ると優しくなれる気がするんだ



だから、この胸の痛みもたぶん平気で居られる。







＿

195→←193

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す