02 『再会』 ページ2
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そっから出会えたのは、ただの奇跡だ。……ただのっつーか、本当にっつーか。奇跡が起きたんだと思った。
同じ会社に就職してたんだよ。アイツの方が一つ下で、営業部と、広報部。俺が広報部。他にも同じ大学出身の同期がいて、そいつに営業で若手のエースが来たって聞いた。一体誰だと思って見に行ったら、アイツがいてさ。
はは、笑っちまったよ。その後有無言わせずにアドレス交換して(携帯古いって言うなよ)、その日の夜に呑みに行った。
アイツが酔っ払ってるとこは何度か見たことあったけど、あの日も本当に酔っ払っていた。……いや、俺が酔わせたんだけどさ。勿論俺も飲んだぜ。未来五十年分ってぐらいな。
『僕ぁさ、ホントは君にさ、言おうと思ってたんだ』
さしてイケメンでもない、けれど不細工とは全く言えない顔で、親友は俯いた。赤ら顔だから大して様になってねぇが。
言えよ、と俺は言った。そうだよ、どうして言ってくれなかったんだよ。俺はずっと探してたんだぜ。お前のことずっと心配してた。なのにどうして逃げたんだよ、って。
『……僕は、君と笑ってられる自信がなかったんだ。人殺しの僕が、君と、人生楽しむなんて……、そんなのやっちゃいけないと思った』
『────』
『でもさあ。やっぱさ……、僕は君の親友で良かったよ』
『……ったりめーだろ、お前、今更気づいたんか』
親友は笑った。泣きながら笑っていた。
『うん、いまさら』
──潰れるほどに飲んだ。二人で笑い合って、親友が大学を辞めてからのことを喋り合って、人生で一番幸せな時間だったと言っても過言じゃないぐらいだ。記憶は所々吹っ飛んでいるが。
それから、広報部と営業部で全く違うけど、一ヶ月に一回くらいはどっかで食べるようになった。まるであの頃に戻った気がした。
クソみてぇな大人になるんだと思ってた。高校時代、俺がこんなくたびれたサラリーマンになるなんて予想だにしてなかったけど、でもやっぱりクソみてぇな人生送るんだろうなって思ってたよ。
──人生はクソだ。誰かが這い上がるのを純粋な目で見られる奴はいない。蹴落として、蹴落とされて、最悪ばかりの人世だ。人の人世知ったことか、世の人世なんてクソ喰らえだ。今でもそう思っている。
だが、俺とアイツは、それでも良かったんだ。
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P様さん - え…、久しぶりにオリジナル作品開いたらめちゃくちゃいいじゃん！！好き！！！なんか最後の店主かっこいいな (2022年12月6日 23時) (
レス) @page11 id: 44cbacd699 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - さくらんぼさん» オリジナルは良いぞ！！(二次創作ばかり書いている人間が言って良いセリフではない)覚えてます大丈夫です〜〜！文ストの方全く更新できずに申し訳ありません、恐らく本編更新より十五歳編の方を作るのが早いと思われます(笑)。 (2021年2月24日 17時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
さくらんぼ(プロフ) - オリジナル作品こんなにのめり込んだの始めてすぎるほんと！！笑笑 一瞬ホントの話かと思うくらいリアリティが、、、！！あ、長い間浮上しなくてすいません！機種変して名前変えましたが白夜の世界を推し続けるです！！覚えてますかね、、？笑 (2021年2月24日 0時) (レス) id: 6f4309b5f2 (このIDを非表示/違反報告)
白夜の世界(プロフ) - めぐちさん» どうぞどうぞ是非ぜひ！占ツクって最初から連載が想定されてる、みたいな仕様になってるから短編を投下しにくいんですよね。でもまあサックリ読める方が読者も良いだろと思って短編たくさん投下してます(笑)。 (2020年12月29日 10時) (レス) id: ad65672360 (このIDを非表示/違反報告)
めぐち(プロフ) - うわーー！！めちゃくちゃ面白すぎてあっという間に読んでしまいました……。しばらく余韻が抜けないです。素敵な作品ですね泣。私もオリジナル作りたくなります笑 (2020年12月28日 22時) (レス) id: 0507494f21 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：白夜の世界
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/nisui03101/
作成日時：2020年11月28日 17時
