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残業をなんとか終わらせて、会社を出る。
雨はまだ続いていて、天気予報は明日も雨だ。
傘を差しながら家に帰る。玄関を開けると、突き抜けて目に入るﾘﾋﾞﾝｸﾞのｿﾌｧ-から、こちらを微笑みながら見るﾆﾉの姿が見えた。
「 おかえんなさい 」
「 ただいま 」
玄関に傘を置いて、中に入る。 明日も雨らしいよ、なんて言いながら、ｽ-ﾂの上着をﾆﾉの座るｿﾌｧ-に掛けて隣に座った。
「 ちょっと、濡れた服掛けないでよ 」
「 別に濡れてないよ。多分 」
「 なんかA抜けてるとこあるよね。俺の誕生日の日に残業入れるし 」
「 会社が悪いんだよ。それにﾆﾉだって、付き合いたての頃、誕生日を一日ずれて認識してたじゃない。連絡来ないから私から、今日誕生日ですって申告したんじゃん 」
ああー、と天を見上げて、声が漏れる。思い出しているようだ。
「 よく覚えてんね。あの日、誰よりも早く送る為に0時になる瞬間におめでとう言おうとしてて 」
「 誰よりも遅く送ろうとしてたよね 」
もはや笑い話である。
「 ね、今日はなんで早く帰って来てって言ったの？？今日は甘えたさんなの？？ 」
「 何言ってんの 」
からかうと、否定しながらも特に怒った様子はなくそっぽをむく。
「 ねえ、そーなの？ ねえ〜〜〜〜 」
「 五月蝿い。ﾌﾟﾛﾎﾟ-ｽﾞしようと思ってたの 」
「 ........ん？ 」
こちらを振り返り返って来た返事に、私の思考が停止した。
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作者名：(にゃん) | 作成日時：2019年7月13日 10時
