ありがとう×2 【にのみや】-完結- (ページ16)

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■ ページ16

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そう、Aの言う通り。
俺が出した問題の答えは、単語だ。

ちっちゃい子も、その親も、誰もが使っている単語。
好きな人にも、嫌いな人にも、同じだけ伝わる単語。
魔法のような、 ______ 言葉だ。

「 ...今はまだ恥ずかしくて言えないから、ﾒ-ﾙで言ったんだよ」

小さく呟く。
こちらを向いた彼女を確認し、最後のﾋﾝﾄを出す。
ｶﾞﾗｹ-を操作するｼﾞｪｽﾁｬ-をしてみせる。

「ｶﾞﾗｹ-? 」

ご名答。
満足気に笑って見せる。

「出してきてみな」

「何を？」

「俺の前の機種」

顎で俺のｶﾞﾗｹ-を保管してある場所を指す。Aは何かを察したように、すぐにｶﾞﾗｹ-を取り出した。

「ﾒ-ﾙ画面見ていい？」
「いいですよ？」

少し遅い起動をした後、彼女に問われる。恐らく、わかったんだろうな…。

俺の隣で、静かにｶﾞﾗｹ-を操っている。ﾒ-ﾙを開き、俺が昔書いたまま残していたのを見て。編集ﾎﾞﾀﾝを押し、俺の文の下に、俺の暗号通りに、文字を打ち込んでいく。

"あ"

"り"

"が"

"と"

"う"
........

「ありがとう... 」

暗号の答え。小さくAが答えた。

「せいかい」

「 ...何これ、…きざ」

「ｷｻﾞはないでしょうが、ｷｻﾞは」

照れてんのはわかってるけどさ。

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