ありがとう×2 【にのみや】-完結- (ページ17)

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■ ページ17

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「こーいうの、口で言えないかぁ～～？」

なんだかんだで嬉しいのか、ﾆﾔﾆﾔ笑いながら俺を見る。まあ、ごもっともだよね。
我ながら遠回りだなと、思いますよ。

「まあ、でも、…ありがとう」

「どういたしまして」

「いやだから何で私が言ってるんだ。ね、声で聞きたい」

「それはね～～… 明日…の、明後日の……その先には？…言うと思う。そんな気がする」

「それいつよ？」

「ぐさっ」

胸を押さえて、苦しむｼﾞｪｽﾁｬ-をとる。
Aはｹﾗｹﾗと、楽しそうに笑った。

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次の日の朝、隣ですやすやと眠る彼女を見て、昨日のことを思い出す。

結局俺は口に出しては言えなかったわけだけど、彼女は理解してくれて、俺にもその言葉をくれた。

一緒にいて、喧嘩することもあるし、互いに不機嫌な日もあるし、でも一緒が幸せだって感じる日がずっと多くて。そんな日に、言われたらもっと嬉しくなる。

だから、もしも俺達にも子供が出来たら、迷わず最初にこの魔法の言葉を教えたい。

「 ...起きたの？」

Aの目が薄く開き、目が合う。

「おはよー」

「うん。おはよ。…ねえ」

もう一つ伝えたいことがある。
俺の暗号を解読出来た君に。

「＊＊＊＊＊」

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FIN.