【HQ!!】稲荷崎の護り神② (ページ9)

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侑「優くーん！聞いてやー！」

『あ？何やねん』

侑「強化合宿呼ばれたで！」

『へぇ～』

侑「なんやねん！もっとこう...おめでとう！みたいな反応ないん！？」

『はぁ？なんでやねん。お前は呼ばれて当然やろ』

侑「そうなんやけど」

『お前高校NO1セッターやん』

一ノ瀬は顔を上げて侑の方を見る。

侑「....思ってた反応とちゃう！！」

『はぁ？』

侑「もっと流石やな。とか頑張れとかあるやん」

侑は頬を膨らませいじけた顔をしている。
対して一ノ瀬は変な顔をして侑の方を見ている。

『侑』

侑「....」

『だー！こっち向け！』

一ノ瀬はいじけている侑の両頬を掴み自分の方へ向ける。

『俺は全国の高校のセッターの中でお前が一番やと思ってる！』

侑はキョトンとした顔で彼を見る。

『まぁ、現にそうやし...なんか、こう上手く言えへんけどお前めっちゃすごいやつやん。せやから選ばれて当たり前やん』

一ノ瀬はそう言い切った後に侑の方を見る。
侑は先程とは打って変わって目をキラキラさせている。
そして正面からガバッと一ノ瀬に抱きつく。

『だー！！暑い！暑苦しい！』

侑「優くん！優くん！」

『なんやねん』

侑「俺むっちゃ嬉しい！優くんに褒められるんのがいっちゃん嬉しい！」

『そら...よかったわ』

一ノ瀬はポンポンと侑の背中を叩く。

現在、時刻は平日の昼休み―
廊下にアイドル級のイケメンがいると視線が痛くなってくる。

『なぁ、侑君よ』

侑「んー？」

『視線がその～痛いねんけど...』

侑「気にしたらアカン」

『いや、気になるやろボケ！』

一ノ瀬は侑の頭をぽかっと叩く。

侑「いった！殴ることないやん！優くんのチビ！」

『あほ！お前のファンに刺されたらどないすんねん！』

侑「刺し返せばええやろ！！」

『一生日の丸背負えんくなるやろが！！』

侑「確かにそれはあかんな」

『せやろ？』

うんと頷きながら侑は近くの壁に凭れる。

『侑』

侑「ん？」

『頑張りぃ。お前なら大丈夫や』

侑「当たり前やん。優くんの後輩やもん」

『後輩って自覚あったんか。お前』

侑「かろうじて」

『もっと敬え、あほ』

侑「あほって言うた方があほなんです～」

後に騒ぎすぎて先生に叱られた2人であった。