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―秋も終わりが近付き寒さを感じる季節になってきた。
『アカン。寒い』
一ノ瀬はジャージのチャックを上までしめ両手をポケットに突っこんでいる。
北「優。マスクちゃんとつけとき」
『んッ』
赤「なんやこの光景夏から秋の時も見たなぁ」
尾「季節の変わり目やからな」
大「これ見ると四季わかんねんな」
『...コホッ。ゴホ』
北「咳でとるやん。これも舐めときぃ」
北はポーチからのど飴を出し一ノ瀬の口の中に放り込む。
『うまッ』
赤「ははッ！かわええ」
尾「でもなんや。この光景も見れるの最後って思うと寂しなるな」
大「せやな。1年から3年間見とるからもうイベントになっとるしな」
尾白と大耳は2人の姿を見てしみじみとしている。
『あ！』
赤「どうした？」
『朝、侑も調子悪そうやった』
北「せやね。侑はこれでええか」
北は梅干しなどが入った袋をカサッと見せる。
『俺もホットレモン買うてやろ』
一ノ瀬は財布を持ちパタパタと部室から出ていく。
北「廊下は走ったらあかんよ」
『あーい』
尾「信介たちはよぉ見とんな」
北「俺は、まぁ...部長やし」
赤「部長やけど信介はほんまよぉ見とるよ」
大耳もうんうんと頷いている。
3人の温かい言葉に北も口元を緩める。
その様子を一ノ瀬は遠くから見つめ嬉しそうな表情をする。
『ただいま』
北「おかえり。ちゃんと買えたか？」
『うん』
尾「初めてのおつかいや」
赤「あー！あったな！懐かしッ」
大「優は部活やるんか？」
『んッ。そのつもり』
北「アカン。帰れ」
『えぇ！！？？』
北「ひきはじめに治さなこの時期は長引くやろ」
『そうやけど！まだ風邪って決まったわけじゃ...』
北「アカンもんはアカン」
一ノ瀬はあからさまに眉毛を下げしょぼくれた顔をする。
北「ちゃんと治さなアラン達にもうつってまうやろ？ええんか？」
『いやや』
北「せやろ？暖かくしときぃ」
北はマフラーを鞄からだし一ノ瀬の首に巻いてあげる。
尾「ほんま信介には素直やな」
赤「流石としか言えへんわ」
大「猛獣使いやな」
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作者名：みる | 作成日時：2022年12月5日 21時
