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『太宰さん』





太宰「なんだい?」





路地裏から抜け出した私達は其の儘一緒に探偵社へと向かって歩いていた。





『色々言いたい事はありますが、先ずは助けてくれてありがとうございました』





太宰「お礼は心中で『嫌です』ちぇ……」





『…………次です。何故勝手にGPSと盗聴器を?』





太宰「其の方が何かあった時直ぐに対応出来るだろう? 現に今日だって此れがあったお陰で助ける事が出来た」





太宰さんの説得に言葉が詰まる。





『で、でも勝手に付けるのは…』





太宰「言ってしまえば付ける事に反対すると思ってね」





うっ……言い返せないのが辛いよ。





『其れじゃあ…最後です。何故芥川さんと知り合いだったんですか? 彼はポートマフィアで指名手配されている人ですよね?』





太宰「あぁ…そう言えば言ってなかったね。私は元マフィアなんだ」





『……え』





太宰さんがポツリと零した其の一言に、思わず足を止めてしまった。





元______________マフィア? 太宰さんが?





太宰「………………幻滅したかい?」





黙っている私に何を思ったのか、そう聞いてきた太宰さん。





『幻滅…と云うより驚きですね。元マフィアが武装探偵社で働いているなんて』





太宰「昔…色々あってね」









_______________其れ以上の事は聞けなかった。





太宰さんの顔が、雰囲気が、余りにも儚くて…今にも消えてしまいそうだったから。












『其れにしてもポートマフィアに異能力がバレてしまいましたね』





太宰「そうだね。私もAちゃんの異能力がどう云うものかある程度分かったよ。確かに色んな組織が狙うわけだ」





下手すれば其の力一つで何千、何万の兵隊を手に入れる事が出来るからね。と、続けた太宰さん。





『やっぱりバレたの不味いですか?』





太宰「あぁ。不味いね」





『ですよね御免なさい』





太宰さんは以前、探偵社と張り合える組織は異能特務課かポートマフィアぐらいだと言った。





つまりポートマフィアは探偵社と同じくらい強いと云う事。
探偵社に保護されている身として…とても申し訳ない気持ちでいっぱいになる。





迷惑を掛けるくらいならいっそ取引を無効にしてしまおうか。今迄だって一人でやってきたんだし。





ふと、そんな事が脳裏をよぎった。





『あの…太宰さん』





太宰「……Aちゃんの言いたい事は何となく分かるよ。私は其れに賛成出来ない」

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恋雪 - こんにちは恋雪です。最近「文スト」見始めたばかりで、まだ3季くらいまでしか知らないのですが、太宰さん推しです。作者様の表現力すごく高くて尊敬します!!これからも更新待ってます! (2023年3月17日 13時) (レス) @page16 id: dcf3f843ed (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヲタクJK | 作者ホームページ:non@nikoniko  
作成日時:2023年3月16日 2時

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