始まり ページ2
……最悪だ。
私は何も聞いてない、聞いてなかったのに。
『どうして私が専属のプロデューサーに…』
「どうして？ふふ、君のプロデューサーとしての腕を買った、それまでの話さ」
天使のような笑顔で微笑み返す天祥院さん。
『…専属のプロデューサーにはしないって約束だったからこの会社に入ったんですけど…』
「すまないね。嘘をつく形になってしまった」
対して悪びれる様子のない天祥院さんに呆れてため息をつく。
すると少しの間を取って天祥院さんがだけどね、と口を開く。
「面白い子達がいるんだ」
『はぁ…』
「ALKALOID…それが君に専属でついてもらうユニットだよ。あぁ、アルカロイドって分かるかな、窒素原子を含む天然由来の有機化合物の総称なんだけれど」
『…そうなんですね』
私が興味なさげに相槌を打つにも関わらず、天祥院さんは一人で喋り続ける。
「彼等…未だに頭角を表せずにいる所謂落ちこぼれ集団なんだけれど」
『はい』
「1ヶ月後、MDMがあるだろう？」
『はい』
「そこで結果を出せなければメンバー全員を解雇する予定なんだ。もちろん、その最悪の結末が来たら君には責任を持って卒業後もここで働いて貰う。」
『はい…
………………はい？』
「クスッ、いいねその表情。かわいい」
嘘だ。天使じゃなくて悪魔の間違いだった。
そうだ。こうやって選択肢を狭めて相手に半ば無理矢理仕事を押し付けるのは天祥院さんの得意技だった。
ここ、スタプロだって…脅迫紛いの事を言われて半強制的に働かせられてるだけだし…。
正直今すぐにでもここを辞めたいけど…卒業後もここで働くのだけは絶対に避けたい。
『その言い方、私に拒否権はないってことですよね』
「ふふ、当たり前だよ」
プロデューサーとして結果を出せなければ卒業後もここで働け、なんてただの脅迫。だけど、天祥院さんならやりかねない…ううん、絶対するに違いない。
『…わかりました。引き受けます。
…だけど、なんでそんな落ちこぼれ集団とやらに肩入れするのか、納得いきません』
「…それは彼らと関わっていくうちに分かっていく筈だよ」
それにしても僕と話すときだけ声色が違うよね、君に嫌われるのは流石の僕も悲しいな、なんて眉を下げて笑う天祥院さんを無視し、もう一度大きなため息をつき、失礼します、と浅く礼をして部屋から出る。
『…やっぱりついてない』
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ゆき(プロフ) - すみません。水を差すようで悪いのですが、巽さんが怪我で入院してたので一年留年してて、マヨイさんより学年が本当は一個上なんじゃ無いでしたっけ？ 内容は、とても面白いです！頑張ってください！ (2022年5月25日 23時) (
レス) @page13 id: 3acc307e02 (このIDを非表示/違反報告)
なっちゃん - とても面白いです！続き待ってます。頑張ってください。 (2021年4月17日 7時) (レス) id: 9a30995c69 (このIDを非表示/違反報告)
スノードロップ - すっっっごい続きが気になる！！！面白いです。更新頑張って下さい！応援してます！ (2020年11月22日 12時) (レス) id: ad5105468f (このIDを非表示/違反報告)
燐 - 面白いです！更新頑張って下さい（≧∇≦） (2020年8月7日 13時) (レス) id: 70df86b8ff (このIDを非表示/違反報告)
きらら(プロフ) - コメ失礼します!天祥院英智の扱いが雑なのちょっと笑いました…ズ!!の作品って少ないから楽しみです！体調に気をつけて自分のペースで更新頑張ってください！応援してます！ (2020年5月19日 1時) (レス) id: 36a6836253 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：マ | 作成日時：2020年5月14日 23時
