＃運命の高校決断 ページ4
「A」
ふと呼ばれた気がして振り返ってみた。
そこにはしかめっ面の轟君が立っていて、もぞりと動いて目をこすって欠伸を一つ零した。
「もう放課後だぞ。お前はいつまで寝てるつもりだ」
ぱしりと頭を叩かれて、「君は酷いことをするのだね」と呟いた。
「別に酷いことも何も、軽く頭を叩いただけだろ。帰るぞ」
「はぁい」
バッグを持って、立ち上がった。
なんだかんだ言いつつも、彼はしっかりと私を教室のドアの外で待っていてくれている。
なぜか、彼は私によく構ってくれる。
別に仲がいいわけでもないし、幼馴染でもない。親同士が仲がいいという訳でもない。
家が近いわけでもないし、なんなら遠いほうだ。ただ、方向が一緒というだけ。
「なんで君はこんな変わり者の私に構ってくれるのだい？」
「……べつに」
彼はそういうなり、そっぽを向いた。
「そうだ、お前高校はどこにいくつもりだ」
肩を並べて、夕日を背中に歩いていればふとそんなことを聞かれた。
「……正直言って、まだ決めてないんだよなあ」
「もう俺達三年じゃねぇか。お前だけだぞ、決まってないの」
「まあそうだね。別になんでもいいかなあって感じだね」
呆れたように言ってくる彼にそう返した。
確かに高校は決めてなくて、どこに行きたいとかそんなことも考えたことはない。
別に、なんだよなあ。
前世みたいに、また闇側に潜ってもいいし、織田作がなりたいと言っていた“人を救う側”になってもいいし。
“人を救う側”になってもいい、だなんてこんなこと尾崎幹部が聞いていたら余計に放してくれなさそうだ。
思わず「闇の花は闇にしかぬぐえぬ」とか言って放してくれないのを想像してしまって、笑みを零した。
「……お前雄英受けろ」
「え」
いきなりのことに戸惑いが隠せない。
「いいか、絶対だぞ」
「いやいや、いきなりそんなことを言われても困るだけだよ？」
そう返せば、そうかと返ってくるだけだった。
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夜空(プロフ) - この小説すごく好きです！更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2020年7月9日 14時) (
レス) id: a5f3d1c561 (このIDを非表示/違反報告)
グリとグラ（妹)(プロフ) - この、話の感じ見てきた小説の中でもトップクラスに入るほど好きです。これからも頑張ってください！ (2020年5月1日 21時) (レス) id: 2d169db4ec (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2020年4月28日 18時
