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「……A………Aっ！」
ぼんやりと意識が浮上するような気持ち悪さに覆われた。目を何度か瞬けばずっと見てきた女性が写った。
「…なぁに？＿お母さん」
「大丈夫！？さっき物凄い音を立てて落ちたけど」
お母さんは心配そうにこちらを伺って私の額を摩っている。大丈夫だよと言えばお母さんはそう…と心配そうに息を吐いていた。
「病院行かなくていい？」
「もう、お母さんは心配性だなあ」
へらりと笑って見せた。
お母さんはなんとみ言えぬ顔でこちらを見て、「Aが大丈夫なら大丈夫だけど…」と小さく呟いて、その場を去った。
私は自身が思い出したその記憶が、まるでばれないようにと急いで自室に駆け込んだ。
くるりと向きを変えて少し自身の位置よりも高いドアノブを捻って丁寧に開けた扉を閉めた。
自室を見渡した。
それは、小さな女の子が好みそうなものばかりが置いてある部屋で、どうも自身には合わないような気がして居心地が悪く感じだ。
「……」
下に目線を落とす。
一度、手を握ってみた。自身の瞳に移るその手は幼児独特の小さな手で握りつぶそうと思えばきっと潰せるに違いない。
「……私は最低だ」
なぜ今頃思い出したんだ。
それならば＿＿思い出さないほうがよかった。
大切な友人たちのことを忘れて、マフィアはきっと私が死んで、このことが外へ漏れぬようにと処理が大変で、きっと織田作は俺のせいだと思い詰めるかもしれない。
あの人は…心優しいから。
それなのに、私はのうのうと生きていて…。
「…なんで」
脳裏に
だけど、なぜか笑顔が霞んで見えて＿
「……会いたい」
どうしても彼らが愛おしくなってしまって。
彼らに会いたくなってしまって。
扉にもたれかかって、己の目を腕で覆った。
私の呟きは私の心情を現すように豪雨の雨音に叩きつけられてやがて消えていった。
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夜空(プロフ) - この小説すごく好きです！更新楽しみにしてます。頑張ってください！ (2020年7月9日 14時) (
レス) id: a5f3d1c561 (このIDを非表示/違反報告)
グリとグラ（妹)(プロフ) - この、話の感じ見てきた小説の中でもトップクラスに入るほど好きです。これからも頑張ってください！ (2020年5月1日 21時) (レス) id: 2d169db4ec (このIDを非表示/違反報告)
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作成日時：2020年4月28日 18時
