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「「有馬特等、お疲れ様でした」」
血と脂の匂いで充満した地下で、部下の二人が有馬に深々と頭を下げる
「ああ、お疲れ」
軽くそう返すとまだ幼さの残る二人はフードを外した
「A上等が軽食を用意されているとの事ですが、召し上がりますか?」
「用意してあるなら頂こうかな、場所は?」
「S3の会議室になります
平子上等もいらっしゃる様です」
「タケか、少し話したい事もあったし丁度良いや」
有馬は久しくまともに話さなかった部下と何を話そうかと考える
姉弟は彼の口の端が微弱ながら動いたのに気が付いた
有馬夕乍を跨がり抑えた平子は、一本の指で首をトントンと叩いた
「夕乍は無駄な動きが少なくて狙いは良い
だが動きが単純になるのに気を付けろ」
「はい、修正します」
まるで機械の様に淡々とした声に平子が顔を顰めた
のを私は見逃さなかった
まだ有馬君は何も話していないのか
「Aさん、有馬さんが本局に到着したそうです」
士皇の報告にクルリと振り返る
「じゃあ休憩しようか」
有馬君と丈君は執務室で話をするらしく、先に珈琲と軽食を運んだ
「瑠亜、璃兎お疲れ様、軽食出来てるよ」
「「ありがとうございます」」
今回は少人数編成での任務という事で0番隊で連携が得意な仙庭姉弟に任せた
余程お腹が空いていたのか璃兎はあっと言う間にサンドイッチの3切れ目に手を伸ばしていた
「Aさん、聞いてください
今日はA+の喰種を5体倒しました!
……姉さんは8体でしたけど」
「私の報告はしなくて良いのに」
瑠亜は紅茶とクッキーを口に含んだ
「そっか、二人ともよく頑張ったね」
偉い偉いと二人の頭に手を置く
「Aさん!僕もナデナデして欲しい!!」
士皇に続いて理界と夕乍も私に抱き着く
『白日庭の子供は愛に飢えている』
育て親だった右京さんの言葉を思い出した
ならば彼も同じだったのだろうか
有馬君もああ見えて飢えていたのかな
……この子供達が飢えぬ様愛情を与えよう
家族とはいかなくても、心休まる存在でありたいな
そっと0番隊の5人を抱き締める
「でも、頑張り過ぎは良くないからね」
その言葉に5人は頷いた
「タケ、あそこに天使達がいる」
「有馬さんは俺と別件の話をしましょうね」
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いろえんぴつ(プロフ) - うわぁぁぁぁぁ( ;∀;) (2018年11月5日 22時) (レス) id: c175a64265 (このIDを非表示/違反報告)
キタル(プロフ) - いろえんぴつさん» ですよね!!生きて欲しかった(泣)けれど原作と違い過ぎてえっ…… (2018年11月5日 22時) (レス) id: 1987885b90 (このIDを非表示/違反報告)
いろえんぴつ(プロフ) - アニメだけ生きてる説欲しい… (2018年10月29日 19時) (レス) id: c175a64265 (このIDを非表示/違反報告)
キタル(プロフ) - いろえんぴつさん» 本当ですよね!?あっという間に決着ついて驚きました……。流島側を挟んでもう少し引っ張って欲しかったです (2018年10月28日 22時) (レス) id: 1987885b90 (このIDを非表示/違反報告)
いろえんぴつ(プロフ) - キタルさん» アニメ開始早々で退場は凄い悲しい(涙) (2018年10月28日 20時) (レス) id: c175a64265 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:キタル | 作成日時:2018年7月15日 16時