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「ただいま」



そう言えば聞きなれた足音が近付いて来た



「お帰り有馬君」



先程まで寝ていたのだろうか髪に少し寝癖が付いている



「これ、琲世が作ってくれたケーキ」



俺は小さな箱を彼女に渡した



「あークリスマスケーキか
わざわざ私の分まで悪いなぁ」



彼女は箱を受け取って笑った



……やっぱり忘れているな



「それ、Aの誕生日ケーキだよ」



「えっ」



彼女は暫く硬直したと思えば今度は真剣な表情になった



「……そっか、今日か」



「うん」









「琲世のケーキ美味しかったな」



ケーキを食べ終えた彼女は上機嫌の様だ



「パーティーは楽しかった?」



「うん、とても」



「なら良かった」



今日の仕事が少なかったのは彼女が昨日仕事を持ち帰ったのだろう



朝には報告書や書類が机に置いてあり、提出するだけだった



「来年は仕事休んで俺と過ごして」



そんな言葉を言えば困った顔をする



「クリスマスぐらい彼女作って過ごしなよ
私といてもつまらないからさ」



「俺はAの事が好きだからAと過ごしたいけど」



Aが隣にいてくれればそれでいいと思う



そして暫くの沈黙が続いた



「……何で私なの?」



「何でだろうね」



理由があるのかと言われると心当たりは無い



ただ、彼女と出会ってから新しい感情が芽生えた気がしたのだ



「もっと良い女は沢山いるのに」



「俺に付いて来れるのはAだけだよ」



「気持ちは嬉しいよ
でも、私はまた唯一の人間を失うのが怖いんだよ」



「うん」



「有馬君はそういう所が右京さんに似てる
二人して私に酷な選択しか残さない」



「うん、ごめん」



視線を下げているが、瞳から一粒の涙が床に落ちるのが見えた



「……分かった
でも、その代わり約束して」



彼女は俺のネクタイを引っ張り、耳元で呟いた



「うん、良いよ」



「……ありがとう」



そして瞼に触れるほどのキスを落とす



「……しょっぱいな」



だが、甘くない方が俺には合っているのかも知れない


…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…_…
彼女は寿命が近い事を悟っており、有馬さんを失った後が辛くなるので今以上の仲を望まなかった
しかし有馬さんは最後まで愛する人として隣にいて欲しいと願い、彼女が折れたという内容です

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設定タグ:東京喰種:re , 有馬貴将   
作品ジャンル:アニメ
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いろえんぴつ(プロフ) - うわぁぁぁぁぁ( ;∀;) (2018年11月5日 22時) (レス) id: c175a64265 (このIDを非表示/違反報告)
キタル(プロフ) - いろえんぴつさん» ですよね!!生きて欲しかった(泣)けれど原作と違い過ぎてえっ…… (2018年11月5日 22時) (レス) id: 1987885b90 (このIDを非表示/違反報告)
いろえんぴつ(プロフ) - アニメだけ生きてる説欲しい… (2018年10月29日 19時) (レス) id: c175a64265 (このIDを非表示/違反報告)
キタル(プロフ) - いろえんぴつさん» 本当ですよね!?あっという間に決着ついて驚きました……。流島側を挟んでもう少し引っ張って欲しかったです (2018年10月28日 22時) (レス) id: 1987885b90 (このIDを非表示/違反報告)
いろえんぴつ(プロフ) - キタルさん» アニメ開始早々で退場は凄い悲しい(涙) (2018年10月28日 20時) (レス) id: c175a64265 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:キタル | 作成日時:2018年7月15日 16時

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