死神の隣

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私を育てた人はとても優しい人でした



昔私が住んでいた家で初めて会いましたよね



貴方に抱えられて夕日を見たのを鮮明に覚えています









お父さんとお母さんは血だらけになっていました




私は何故2人が血だらけになっているのか知っています




喰種がお母さんの内蔵を、お父さんの脳を食べたからです




私はお母さんに言われた通りに押入れに隠れていました



お母さん達が喰種に食べられるのを僅かな隙間から見ていました



しばらくすると、喰種の叫び声が聞こえました




そして足音が近付いてきました




「……いた」





押入れを開けたのはさっきの喰種では無く、血の付いた眼鏡を掛けた白髪の人でした




「喰種はもういないよ」



その人はそう言って私に手を差し伸べました




「【喰種は】ってのは間違ってるよ」




その人の手を取り、私は立ちました




「Aの【お父さんもお母さんも】もういないよ」




横たわるソレだったモノを一瞬見た




「……そうだね」




その人は私に質問した




「君は喰種が怖くないのかい？」




私は答えた




「喰種は何度も見た事あるけど怖くないよ
何度も食べられそうになったけど食べられなかったから
それってAは普通の人間じゃないって事だよね」




少し考えたその人はこう言った




「じゃあ、俺と一緒に暮らそうか
そうすれば大丈夫だよ」




優しそうに笑ったその人が頭を撫でてくれた




私はその言葉に頷いた




「ねぇ、あの花について知ってる？」




私は窓から見える植物を指差した




「楪……A達の苗字の花
親子草ともいってAが1番好きな植物」




目を閉じて毎日水やりをしていたのを思い出す




「そうなんだ」




「あの……お兄さん」




「右京で良いよ」




「右京さんも人間じゃないよね」




私の発言に目を見開いたが、すぐに笑顔に戻った




「うん、そうだよ」




「でも、右京さんとAは違うね
そんな気がするの」




「………君は、☓☓☓☓☓☓☓☓だよ」





この時右京さんはなんて言ったんだっけ

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