死神の隣

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琲世side


現在、僕は会議室の机の上で有馬さんの攻撃を避けていた






Aさんに頼まれていた事を成し遂げると、有馬さんに手合わせしようと言われ、今に至る






「それで新班長は不知吟士か
瓜江久生は？」



ボールペンを片手に持ち、攻撃をして来る有馬さん



「瓜江は確かに優秀です
呑み込みも早いし捜査の筋も良い
……ただ捜査官に限らずどんな場面でも必要なのは【人格】だと思います
不知はああ見えて周りの事をちゃんと考えられてる」




反撃をしてみるも、有馬さんは軽々と躱す




「面白い采配だねハイセ
君らしいよ」




「この機会に瓜江にも人格を磨いて欲しい…で！すﾂ！！」



有馬さんの足がお腹に入り、飛ばされた



目を開くとボールペンが眼球に向けられていた



……やっぱり有馬さんには敵わないなぁ



「ま、参りました」



その言葉を聞いた有馬さんはボールペンをポケットにしまった



僕は腰をさすりながら上半身を起こす



「悪くないよハイセ、だがもっと速い筈だ
上半身と下半身のラグを無くして
今度Aの動きを参考にすれば良くなるよ」



先程医務室で会話をしていた人物の名前が上がり、僕は首を傾げた



「Aさんの動きですか？」




「あれ？ハイセはAの戦い方見た事無いんだっけ」



有馬さんも僕と同じ様に首を傾げる




「零番隊の時も常に僕のサポートだったので」




「噂は知ってる？」




「はい」




Aさんは有馬さんのスカウトを受けて入局し、初めての討伐作戦でS+レートの喰種を1人で討伐
1年にして200体以上の喰種を討伐したとか




「そして入局前の梟討伐戦では医者としての活躍されていたと耳にしました」




「Aは零番隊で俺の次に強いんじゃないかな
ハイセに甘いから本気見せてないけど」




「あの、有馬さんは本気でAさんと手合わせした事が？」



「手合わせというか……家で怒らせた時かな
生まれて初めて大量出血を経験したよ」




え、何をしたんですか有馬さん




「これがタイシの言っていた【尻に敷かれる】って事なのかな」




「それ、意味が違いますよ」





やはり有馬さんの天然は格が違うなと改めて思った

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