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48(六日目) ページ16

金曜日




この日、A先生は決めた。





この選択にきっと近いうちに後悔することを知りながら。






彼は今日、放課後に浜辺へと来ていた。






生徒たちが見える教室や廊下でもなく、観客がいるステージでもなく。





太陽を反射して、静かでも煩くもないさざ波の音が響く。少し肌寒い浜辺。





彼はここで、自分を探しているであろう愛弟子を待っていた。




きっと愛弟子は、叔父からあの情報を聞いたであろう。




そして、己と同じように悩んだであろう。






愛弟子として、師匠に華々しくステージに立って欲しい気持ちと。



生徒として、先生に卒業姿をみてほしい。



そんな気持ちにあの子は短時間で苦しみ、悩んだであろう。





そう、静かに思っていると遠くからザッザッと砂を踏みしめる音がした。





A先生はゆっくりと音のする方へ振り向いた。





『やあ、日々樹。』




そこには息を切らした日々樹がいた。





日々樹「はぁ、師匠、」





『はい、落ち着いて』



A先生は日々樹にどこからか出したペットボトルを渡した。



日々樹はその手を縋るように強く掴んだ。





日々樹「師匠、叔父から、聞いて、はぁ。
あれ本当なんですか?」




『あの人が日々樹に嘘を教えてない限りは本当だよ。』





日々樹「あそこのステージで、マジックを。
師匠の憧れのステージ。」





『そうだね、私の憧れのステージだ。』





A先生は日々樹の頭を、まるで子供をあやすかのように撫でた。




日々樹は下を向きながら、汗なのか、涙なのか分からない水滴をこぼす。




彼は大きく深呼吸をした後


日々樹「師匠、行ってきてください」



と、吸い込んだ息の量に見合わず、か細い声で言った。




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ママ(プロフ) - 陽香さん» ありがとうございます!ほとんど皆さんのリクエストに頼りっきりではありましたが、喜んでくれる人が沢山いてとても嬉しかったです。本当にありがとうございました。 (2020年8月3日 15時) (レス) id: 4d5b6956a8 (このIDを非表示/違反報告)
陽香(プロフ) - 完結おめでとうございます。毎回楽しみに読ませていただきました。 (2020年8月3日 12時) (レス) id: a10faff46c (このIDを非表示/違反報告)
ママ(プロフ) - 絆さん» こちらこそありがとうございました!完結できたのは絆さんたちがこの作品を「面白い」「一気読みしてしまった!」「頑張ってください!」と言ってくれたからです!本当にありがとうございました! (2020年8月3日 10時) (レス) id: 4d5b6956a8 (このIDを非表示/違反報告)
- 完結おめでとうございます!!最後の最後でめちゃ感動しました!!本当に素晴らしい作品をありがとうございます!!どうかお体にお気をつけてお過ごしください!!本当にありがとうございました!!!! (2020年8月3日 9時) (レス) id: da343c4ed4 (このIDを非表示/違反報告)
ママ(プロフ) - 少し忙しいので更新遅れます (2020年7月18日 10時) (レス) id: 4d5b6956a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ママ | 作者ホームページ:http mama1  
作成日時:2020年5月22日 20時

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