＃５ ページ12
声を振り絞ってそう言い始めた瞬間、パリーン!! という音がアジトに響き渡る。
あぁ、今日は本当に運が悪い。
音がしたマリーの部屋に行くと、床に散らばった花瓶の破片と近くで俯せになっているマリーの姿が目に入る。
「マリー大丈夫か!?」
「いてて……うん、転んだだけだから大丈夫！ でも花瓶が……」
「大丈夫だ、また買いに行けばいいさ。今度は割らないように気をつけるんだぞ？」
｢うんっ……！｣
そして俺とカノが部屋を出てリビングへ向かっている時、カノが長い沈黙を破る。
「あ、アジトだと皆がいて話しにくいし近くの公園で話そっか」
「そう、だな」
俺達はアジトを出て、あまり遠くない広い公園のベンチに腰かける。
「そういえば昔よくここで遊んでたな」
「そうそう、鬼ごっことかかくれんぼとか！」
「セトは鬼ごっこですぐ捕まってたが、かくれんぼは上手だったな」
「でも暗くて狭い所にずっといて『暗いよ狭いよ、助けて〜!!』って泣いてたね〜、あれはもう最ッ高！」
そう言ってカノは笑い始める。当時の事を思い出し、俺も吹き出して笑ってしまっていた。
「……それじゃ、話そっか」
「ん、そうだな」
「えっと、もう一回聞くよ？ 僕の事……異性として好き？」
カノは軽く深呼吸をして、俺の方に向き直ってそう言う。
「俺はカノの事が、……――好きだ」
やっと言えた……。
再びカノをちらりと見てみると口をポカンと開いて目を丸くし、頬がほんのりと桃色に染まっていた。
カノが、照れてる……？
「え……！ ちょ、待って……」
そう言うとカノはフードを深く被って俺に背を向ける。
「カノ、こっち向け」
肩を掴んで俺の方に向けてフードを取ると、目を泳がせているカノの顔は先程見た時よりも真っ赤だ。
「好きだ。大好きだ、世界一好――」
「ちょ、待ってよキド!! せめて返事くらいさせてよ……」
「あ、すまん」
「……僕もキドが好き!! サラサラな髪も、栄養の事をちゃんと考えた料理も性格も全部好き!! そのっ……、僕と付き合って!!」
カノの顔は湯気が出て爆発してしまいそうな程に、真っ赤に染まっている。
「もちろん……修哉と付き合う」
「僕の初恋、つぼみなんだ♪」
「俺も、修哉が初恋だ」
「じゃあ、お互い初めてだらけでドキドキだね！」
「あぁ。じゃあ、そろそろ帰るか」
俺達はぎゅっと手を繋ぎ、アジトまで歩いた。
これが俺とカノの、長い長い「咄」の始まりだ――。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
革ベルト
ラッキーカラー
あずきいろ
ラッキーナンバー
8
ラッキー方角
西 - この方角に福があるはずです
おみくじ
おみくじ結果は「末凶」でした！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 29人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
キボシ - さ、最高！！！カノキド愛してる！！！ (2018年8月5日 1時) (
レス) id: 03936925d8 (このIDを非表示/違反報告)
+１/ぷらすわん - カノキド愛してるよぉぉぉぉっ!! (2016年7月20日 18時) (レス) id: 709004cd4e (このIDを非表示/違反報告)
零ーﾚｲー(プロフ) - 私、カゲプロが大好きなので、凄く面白かったです！更新頑張ってください！ (2016年7月14日 7時) (レス) id: 456dbe64c1 (このIDを非表示/違反報告)
なおりん - 雨ノ宮心音さんさっきは私の作品にコメントありがとうございました！いいですね！カゲプロ私も大好きです(*^^*) (2016年6月18日 21時) (レス) id: 6eceb2fe56 (このIDを非表示/違反報告)
ゆーさん(プロフ) - すごくおもしろかったです！お気に入り登録しました!!カノキド最高!! (2016年5月1日 18時) (レス) id: af502dc73a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：天ノ川夜月 | 作成日時：2016年4月30日 12時
